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着く、食う、話す

天国に着く

前回フリアコ先に着いたところを軽く触れて終わったので、今回はその時の詳細を。

駅から宿に行く前に向かったのはフリアコ先(ゲストハウスMachicado)の姉妹店であるココカ古書店(昼はカフェ、夜はバーとしても営業)。
今回のフリアコではゲストハウスのみではなく、こちらの古書店のお手伝いもすることになっている。

本が大好きな僕にとってこのようなお店は大歓迎だった。しかも、お店にある本は貸してもらう事ができるので、好きな本を読み放題。
なんだ、天国か。
読書が好きな自分にとって他にこんなにいいゲストハウスはなかなかないだろう。

駅から少し歩いて目的の古書店に着いた。
お店の様子はインスタなどでも確認していたし、入口の前に看板犬(めちゃくちゃ可愛い)がいたのですぐにそことわかった。

店内に入りオーナー夫婦に挨拶をした。
昼営業がもう少しで終わるタイミングだったので、営業が一区切りするのを店内の奥で待つことに。

荷物を降ろして一息つく。
店内の音楽は僕の敬愛するアーティストの一人、細野晴臣が流れていた。
なんだ、天国か。

前回の記事にも書いたように、五感を存分に使って旅を味わうためにこの日イヤホンをつけて音楽を聴くという事をしていなかった。
つまり、旅に出て初めてちゃんと聴いた音楽が細野晴臣というわけだ。
自分の好きな音楽がお出迎えしてくれるなんて!
交通ICの時といい、幸先がよすぎて怖くなる。

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宿に着く

営業時間の区切りがつき、宿を案内してもらった。
宿は古書店から歩いて1分かかるかどうかくらいの距離にあった。
鍵や設備の案内などを受け、一緒に住み込みで働くことになるスタッフにも軽く挨拶をした。

そのスタッフは20代前半の女性で、別の場所でも掛け持ちで働いているという事だった。
ちょうど挨拶をした時はバイト先に向かう前の準備中だったので、しっかりとした自己紹介は後回し。

最後に自分の寝泊まりすることになる部屋を案内してもらい、荷物をほどいて一休みした。

宿は古民家を改装したものらしい。
しかし、汚くて古臭いという感じは全くなく清潔感があり、古き良き日本という感じをうまく残した落ち着いた雰囲気だ。

宿も古書店もオーナー夫婦で切り盛りしており、二人とも穏やかで明るい人たちで、その人の良さがお店にも出ていて、宿だけでなく古書店の方もリラックスして過ごせる空間だ。

人がつくる空間というのは、やはりつくりだすその人の性格や考えの影響を大きく受ける。
もちろんこれは空間だけの話ではなく、人がつくりだすもの全般に言えるだろう。

小売業で働いていた時も思ったのだが、チェーン店であってもお店の雰囲気というのは店舗ごとに全く違う。
個人店ならチェーン店の様な規則や本部の圧力がない分、つくりだす人の持つものがより空間に反映される。

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看板犬の「じゅうべえ」 写真は古書店ではありません

飯を食う

荷物をほどいて一休みしているとお腹が空いてきた。
旅の疲れもあったため初日から自炊する気にもなれず外で食べる事にした。

せっかくなので近くのおすすめのお店を訊くため再び古書店へ。
近辺地図をもらい外食するためのお店だけでなく、スーパーやドラッグストア等も教えてもらった。生活していくうえで欠かせない情報だ。

そして、この日選んだのは古書店のすぐ向かいにある定食屋、「大阪屋食堂」さん。
お店に入る時男子高校生らしき4,5名のグループがちょうど僕のすぐ後を追うように入ってきた。

中に入るとほぼ満席状態、すごい人気だ。
家族連れや仕事終わりの人が数組、後から入ってきた学生。老若男女問わずの客層だった。

相席で案内されることになり少し新鮮な気持ちになった。
というのも、名古屋にいる時は自炊が多かったし、外食時は基本的に誰かと一緒なので相席を案内される機会がなかったからだ。

せっかく海が近いのだしと魚定食を頼むとどの魚にするか訊かれた。
このお店では複数魚料理が用意されていてその中から選ぶことができるのだ。
色々あったが、素材の良さが分かりやすそうな塩焼きを選んだ。
この時選んだのはサバの塩焼き。

旅での疲労感と無事到着した安心感からきた空腹というスパイスを差し引いて考えても、定食はとても美味しく、疲労と空腹を見事に和らげてくれた。
でも詳しい食レポは書きません。気になる人は食べに来てください。笑

そして、食事をしながら相席の方と話して仲良くなり、次第に心が惹かれていくことに。
なんていう劇的な事は何もなく、普通に帰った。
相席の人とは一言も話さなかったし、そもそも前に座っていたのはおじさんだった。
(僕は今の所ヘテロ男性なのでおじさんは恋愛対象外だ。*ヘテロ?ってなった方は太字を押して下さい)

ヒッピーと話す

宿に戻り一休みしていると、掛け持ちのバイトから同じ住み込みのスタッフが帰ってきた。
先程できなかったちゃんとした自己紹介やお互いのここに行き着いた経緯など、趣味など色んな事を話してすぐに打ち解ける事が出来た。

聞くところによるとその子は今年の春あたりからヒッチハイクで日本を旅しており、将来の夢はヒッピーのママになる事。
寒いのが苦手なのでもうすぐ暖かい所へ旅立つという事だった。

この時期にヒッチハイク捕まるの?と思うかもしれないが、その子は30分以上待ったことがないらしい。なんという強運。
そして、沢山の良い人たちに出会ったみたいで、その子の旅の話を聞くだけで面白かった。

その上ヒッピーのママになりたいなどと言うもんだからもう訊きたいことが山積みだ。

さらに、実は最初に会ってすぐに割と衝撃的な事があった。
宿の案内中オーナーも僕も偶然言葉を発していないタイミングで、僕の存在に気付かなかったのか、その子が急にオーナーに悩み事を打ち明けだした。

とてもSNSには書くことができない様な、というか、現実世界でかなり親しくても聞かないような非常に個人的でセンシティブな内容のものだ。
(ちなみに、その悩み事というのは後日無事に解決しました。めでたしめでたし)

唐突な悩み事の打ち明けを盗み聞きするつもりもないのに、耳に入って戸惑った僕はつい「存在感無くてすいません」と言うしかなかった。

これだけでももう第一印象は十分強烈なものだった。
そして、見事にその後も第一印象を上回る面白い話、興味深い話が炸裂し、それから3週間ほど僕はヒッピー(本人曰くまだヒッピーになり切れていないみたいだが、便宜上記事ではヒッピーと呼ぶ)と暮らすことになった。

つづく

*太字に下線ひいてあるところを押すとインスタのアカウントやリンク先に飛びます!
いくつか下にも載せておきますので、そちらも確認してみてください。
読んで頂きありがとうございました!

今回の記事に登場したインスタのアカウント

ゲストハウスMachicado
ココカ古書店
じゅうべえ
大阪屋食堂

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