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エッセイ『キルバーンさんの靴とカブオの餌』

 毎日新聞2面のコラム『金言』にミシガン州グッドリッチ高校2年のエリック・キルバーンさんの話が載っていました。グッドリッチ高校ってめっちゃかっこええやん。うちの近所にも西京(さいきょう)高校あるけどな!
 さて。
 キルバーンさんが、どうして『金言』で話題にされているかといえば、靴のサイズの大きさゆえ。十六文キックでおなじみ故ジャイアント馬場さんの靴のサイズは34センチほど。アメリカでは「16」と表記されるサイズだったのが十六文キックの名前の由来らしいんですが、キルバーンさんはその上をいく約40センチで靴のサイズは「22」!しかも成長期ゆえ、足が大きくなり、「22」さえ履きづらくなってしまいました。
 キルバーンさんは高校でアメフトをやっているんですが、プレーにも靴の小ささの影響が出る始末で、親としてはなんとかしてピッタリサイズの靴を買ってやりたいということで、お母さまがスポーツ用品大手各社に、もっと大きな靴を作ってくださいとお願いするんですが、残念ながら「22」以上大きな靴を作ったところで現状、売れるのはたった1足、キルバーンさんの分のみとなると、資本主義経済のもとでは、なかなか動いてくださらないのが現状です。
 幸い、キルバーンさんの友人たちが特注で靴を作ってもらうため募金を始めたところ、友情を知ったスポーツ用品大手2社が特別製の靴を作るに至ったそうなんですが。

 うちで飼ってるカブトムシのカブオは秋のお彼岸シーズンの今もしぶとく生きているのですが、ダイソーなどの餌売り場からは、カブトムシの餌が消えてしまいました。子どもたちの夏休みも終わってから一ヶ月近く経とうという今、カブトムシを飼っている人なんてゼロに等しいという理由で消されてしまったんだろうけど、ノンアルコール飲料に潜んでいる微量のアルコール分になった気分です。キルバーンさんのお母様とこの気持ち、分け合いたい。

蠱惑暇(こわくいとま)

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