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写ルンですで撮ルンです

少し前に担当番組で「ディスポ」という写真アプリのことを紹介しました。撮った写真を翌朝になるまで確認できないアプリで、インスタ映えを求めるあまり、加工加工を繰り返すような現代の若者にとっては、その昔私たちが現像されるのを心待ちにしたあの時間が新鮮なんだそうです。といっても翌朝には確認できるわけですが。

そんなアプリを紹介したところ、今日は「本家」の「写ルンです」で写真を撮る機会がありました。私が担当していない番組のDJさん、スタッフさん、みんなのお昼ご飯の場面を撮りたいとのことで、近くにいて暇そうだった私に白羽の矢が当たりました。

全員あわせて4人がテーブルに並んだカレーを囲んで和んでいる、という構図。写真の撮影は割とセンスが問われるものですから、私は内心、緊張していたのですが、まずスタッフさんのスマホで2枚撮影し、こちらは及第点をいただきました。そして「写ルンです」の出番です。久しぶりに手にしてみたら思ってたより軽いし、小さい。最後に触ったのが中学?高校?いや、大学生の頃もまだ撮ってたかな?なので、体の大きさは最後に「写ルンです」を触ったときから、そんなに変わっていないはずなんですが。長い年月は記憶を曖昧にさせるものです。「こう」と思い込んでいる事実も、実はその後に何度も何度も思い返しているうちに、綺麗なものはさらに美化され、嫌な思い出は、さらにどす黒い暗黒になったりしてしまうものですよね。少なくとも、私が「写ルンです」を今日、触ってみて「小さい」と思った、そのギャップ分くらいに現実と記憶には差が生まれるものなのです。

さて。
いざ、「写ルンです」で写真撮影となるわけですが、思っていたよりも確かに緊張感がありました。一発勝負で撮ったものを確認できないことがこんなに緊張を誘うものなんですね。まぁ、その辺の石ころを撮るんならなんにも緊張はしないわけですから、そこにはやはり、被写体の皆様に対する緊張もあるわけですが、別にいつも鬼のようにしごかれていて「おまえ、上手いこと撮れてなかったらわかってるやろなー?」とかいう人たちではありません。それでも「たった一枚に賭ける青春」、それは甲子園球場で熱戦を繰り広げる球児たちの一球入魂にも通じるものがある気がして、私は久しぶりに覗いた「写ルンです
」のレンズ(あれはレンズと呼ぶのかしら?あれも思ってたよりめっちゃボヤけてました)越しに胸をドキドキさせていたのです。

パシャリ。

思いがけなくフラッシュ設定になっており、これがまた減点対象になる気がしますが、とりあえずお役御免となりました。それこそ修学旅行なんかで「写ルンです」を持っていった時なんかは、クラスの好きな女の子のいるグループの写真を撮るふりをして、その女の子だけ撮るみたいなことをよくやっていたような気がします(これもやや曖昧な記憶)。逆に、これは私はしたことはありませんが、「写真撮ってくださーい」っていう人の首から下の写真を撮ってやったとかいう武勇伝を聞いたこともあります。そういうお遊びをしてしまおうかと内心思ったりもしましたが、自分なりに、しっかり撮ってみたつもり。なので、明らかに1人だけアップで写してたり、テーブルの上のお昼ご飯(カレー)しか写ってなかったり、ということは無いのですが、しっかり撮ろうと思って撮っただけに、ちゃんと撮れているかが心配なのです。

「おまえ、上手いこと撮れてなかったらわかってるやろなー?」

この心配、この緊張、「写ルンです」も悪くないですね。

#令和3年8月28日  #コラム #エッセイ #日記
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