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6月17日〜22日 新聞各紙歌壇俳壇チェック

6月17日 日経俳壇より
●つばめ来る迷うことなく軒に来る

つばめが好きなのと、繰り返しが好きなのと。
両方使っててリズムもいいし好きです。

●トタン屋根一棟塗りて冷奴

これの隣に「チョコレート一枚舐めて草むしり」があってセットになってました。

6月17日 日経歌壇より
●到来の無洗米なれどやはり研ぐ「さくさく」と手が勝手に動く

ルーティンは簡単にやめられない。体が勝手に動くんです。人間って意外とアホで意外と強い。

●さいごまで「砂」を「沙」に間違えられていたあなたにとって嫁は他人で

投稿者の名前が「理砂子」なんですけども。さすがに最後まで間違えるなんてことがあるかね?とは思いましたけどね。

6月18日 朝日俳壇より
●我よりも寂しき蠅が今日もをる

そんな蠅がをるおかげで我は少しばかり寂しさをまぎらわせている。

●かろやかに雨戸繰る音夏の朝

お母ちゃんの手際のよさを思い浮かべました。ええ天気なんでしょうね。お出かけしたくなりますね。

●端居して本を閉ぢれば雨の匂ひ

こんな文化的な暮らしをしていたい。

●浅蜊掘り明日のパスタの皮算用

この「取らぬ狸の皮算用」を使うやつ、一回やってみたかったのに先を越されました。

6月18日 朝日歌壇より
●登校は一人で歩く同じ道お姉ちゃんはもういない春

意外と当人はのびのびしてたりするもので。

●いちご畑を荒らす狸に御手上げの夫をつひには憎んでしまふ

悪いのは誰やねん、という話で。国会で岸田ジュニアの件を非難する野党が悪いんか、という話で。

●ぶりのアラ百五十円買い求めうなぎの翌日帳尻合わす

めちゃくちゃわかる。私も一ヶ月、帳尻合わせしかしてない。

●並べればマトリョーシカのようにまた弁当箱は大きくなりぬ

子の成長に目を細めつつ、食費の増大には頭を抱えつつ。

6月19日 読売俳壇より
●四年越しの五月の挙式子は二歳

コロナで延ばし延ばししてるうちに子供が二歳になりました。

●亡き友の名の神灯も夏祭

最近、この死を連想させる句にぐっとくるようになってきました。

●玄関に朝陽来てゐる薄暑かな

夏の朝ののどかな光景。実家の玄関を思い出しました。ノスタルジー。

●洗濯機のザブーンザブン五月晴

ちょうど洗濯機回してましてん。こっちの状況によっても捉え方って変わりますよね。

6月19日 読売歌壇より
●ひとの名をやっと思い出したるに何んの為だかまた忘れたり

あー、そうそう、それそれ、で、何の話やったっけ?この必殺技こそ、チャットGPTには真似のできない人間の秘奥義です。

●もう一度ハヤシライスが食べたいと父の記憶の地図にない街

これはナイトスクープ案件ですね。

●武装して本気のいくさに行く人に「無理しないで」と無意味なこと言う

鬼気迫る危機に直面している人にそうでもない人がかけられる言葉って空虚なんですけど、空虚くらいがちょうどよかったりもするんだろうと自分を納得させるしかない。

●ビル窓を拭きしゴンドラ地に降りてなにごとも無き顔の人去る

8階で仕事してると時々びっくりするんですけどね。あんな恐怖!の割に確かにあの人たち、なにごとも無い顔してるんですよね。

6月19日 毎日俳壇より
●梅田より淀屋橋まで蟻となる

私は毎週水曜日に阪急大阪梅田駅からJR大阪駅まで蟻になってます。

●談笑のあひだ途切るる滝の音

これはうまいこと言うなーと思いました。いわゆるカクテルパーティー効果ですかね。

●薫風へ片手を上ぐる仁王尊

仁王尊の力強さと薫風の清々しさ、新緑の季節の若々しさなども感じられてこっちの力がみなぎってくる。

●ビヤガーデンひとりの人も居て安堵

さすがにビヤガーデンは一人で行ったこと無いですね。どうせスマホ見ながらやから一人でも無いんですけどね。

6月19日 毎日歌壇より
●海沿いの歩き遍路の土佐の道「次の自販機まで10キロ」の札

札がかかってるだけ親切やとは思います。

●パーカーから枝葉の繁る森の匂い絵の具まみれの美大生ゆく

いまどきの美大生は絵の具まみれでも無いような気もするんですが、なんとなく古き良き時代の風景のように思いました。ノスタルジー。

●死はなべて花の色とぞ 初夏の森に襞なす言の葉の影

こういうのを作りたいんですよね。こういうのはどうあがいても自分の中から出てこないと思う。

●老いたらば好きに生きろと言うけれどそれはリッチな人達のこと

政治家の先生たちって、そのリッチな人達のほうばかり見てる気がするんですよね。

6月22日 産経俳壇より
●夏来る路面電車の向かうから

こんなん作りたかったやつやん。

●もう飽きている子へ飛ばすしゃぼん玉

子供の興味はすぐに移ろう。大人はそのスピードについていけず三周遅れくらいがやっと。意外と子供に気を遣われてたりする。

6月22日 産経歌壇より
●三度目の肋骨骨折今回はインフルエンザの激しい咳で

咳で骨が折れることは本当にあるんです。めちゃくちゃ痛いし、かといって咳は止まらないし、ほんまに苦しいのを思い出しました。

●春昼のベンチは全て人の座し手に持つ弁当置く場所も無し

コロナが五類になってどういうわけか人が増えた気がします。コロナ前の1.5倍くらい。日本が狭くなっちゃいました。弁当は膝(太腿)の上に広げるしかないでしょうね。

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