オレ内聖地巡礼新宿編

令和４年１０月１４日

　久しぶりの東京。帰りの新幹線の発車まで少し余裕があったので、以前、よく東京へ来ていた頃の自分の足取りを辿ってみることにしました。オレ内聖地巡礼です。ああノスタルジア。

　バンドやってた頃から弾き語りでライブするようになるまで、何度となく足を運んだのは新宿ＪＡＭというライブハウスです。残念ながら何年か前に無くなってしまったんですが、このライブハウスのお兄さんたちは、やたら私や私のやっていたバンドのことを気に入ってくれ、集客云々関係なく、よくライブをさせてくださいました。マキタスポーツがボーカルのバンドやハリウッドザコシショウと共演したこともあります。

　ＪＡＭの向かい側にはレッドクロスというライブハウスもあります。こちらには私、歌い手として出たことはないのですが、片山ブレイカーズ＆ザ・ロケンローパーティという京都のバンドが主催するライブイベントに司会として出演したことがあります。先日、磔磔でその片山ブレイカーズのワンマンライブがあり、メンバーの変遷はあれども、当時と変わらないバンドの音に郷愁を感じました。何がよかったかといえば、音に関することは私にはよくわかりませんけれども、メンバーの皆さんがステージで見せる表情が昔となんにも変わっていなかったところです。私たち客に見せる笑顔、真顔、切なそうな顔、その昔、私は片山ブレイカーズのライブを見たとき、彼らの顔を見て、セックスの時と同じ顔をしてるんやろうな、と思ったことを思い出しました。たぶん、ああいう顔してるんだと思います。どうやって確認したらいいんでしょう。久しぶりに見た片山ブレイカーズのライブは、変わってない感じがやけに泣けた。ゲストで出た安藤くんの独特のノリも変わってなくて泣けたんだ。

　さて。
　新宿駅東口を出て、ＪＡＭやレッドクロスのある場所へ歩いていると、「ああ、あそこのヴェローチェ、何回か寄ったことあるな」とか「伊勢丹でトイレ借りたことある」とか、けっこう細かいことも思い出したわけですが、その界隈をぐるぐる回りながら、今日、どーしても思い出せなかったラーメン屋がありまして。そのラーメン屋は、私が東京新宿へ来るたびに通っていためちゃくちゃ美味しいラーメン屋で、ライブをしに来るというよりも、むしろ、そのラーメン屋のラーメンを食べるために新宿でライブを入れたのだというくらいには劇的に美味しいラーメン屋でして、確か、新宿駅東口からＪＡＭやレッドクロスへ行く途中にあったはずなのですが、結局今日は見つけることができませんでした。

　そのラーメン屋は、私にとって世界で一番くらい美味しいラーメン屋だったのですが、後日、「新宿にめちゃくちゃ美味いラーメン屋があるから行ってみてくれ」と片山ブレイカーズのメンバーにお薦めしてやったところ、「あんなに不味いラーメンは久しぶりに食うた」などと、酷評ばかりいただき、思えば、あの頃から、私の味音痴ぶりは発揮されていたのでありました。本当に美味しくなかったから潰れてしまったのかしら。

　オレ内聖地巡礼はコンプリートならずで終わってしまいましたが、東京へ来るのは今日が最後ではありません。まだチャンスはあります。あの世界一美味しいラーメン屋でもう一度ラーメンを食べ、いつか思い出を更新したいと思っておるのです。

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