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オレたちステレオタイピスト

 今日はバレンタインデー。近くの商店街は今日を目掛けて(だと思うんですが)ハート型のオブジェを拵えたりしてムードを盛り上げていたんですが、近頃のバレンタインといえば特にそのハートマークから想起されるような「決戦は金曜日」的ニュアンスはもはや無いのではないかと思うんですが現役の皆さん、そのあたりはどんなもんでしょうか。

 だからといって私はその近くの商店街の在り方を否定しているわけではなく、むしろそのステレオタイプを実に好ましいものとして見ておりました。時代に沿って変わっていく柔軟さが必要なのは言うまでも有りませんが、商店街のもつどこかレトロな雰囲気、昭和テイスト、多少さびれた感じにはやはりそこはかとない頑固一徹さや時代遅れ感、思春期の娘に異常に嫌われる父親の疎外感のようなものをむしろ肯定してくれる、オレたちの拠り所としての役割も担ってほしいと思っておるわけです。

 タピオカの店ができてもいいし、高級食パンのお店があってもいいんですけど、そのいっぽうで多様性社会の名のもと排除されつつあるおっさんたちにもその居場所を昔ながらの商店街には残しておいてほしかったりするわけです。「あんたらのこともちゃんと見てるで!」っていう安心感がほしいわけです。今回、バレンタインにやたらハートマークを押してくるところに商店街の思惑としてはターゲットとしておっさんは全く入っていなかったと思うんですが、オレはそのハートマークなバレンタインに逆に勇気付けられたといいますか、それは完全に商店街の意図するところではなかったと思うんですが、この商店街、やっぱり好きだな〜と思った次第でございます。

 とここまで書いておいて自分の「いまどきバレンタインに女子が愛の告白みたいな図式は古いんじゃないのか」っていう決め付けのほうがとんでもないステレオタイプだったりするんじゃないか?という懸念も拭えないわけですが実際問題どんなもんでしょうか。

 しかしよくよく丁寧に記憶を辿ってみるとオレが中学生くらいの頃にも別にそこまで「決戦は金曜日」的雰囲気はなかったんじゃないかと思う。オレ今42歳。記憶を辿っていって思い出しましたが、なんか中学生の頃、一風変わったカップルがいて、何が変わってるかって今思えば別に何が変ってわけでもないんですが、クラスで割と目立たない感じの2人やったから「ああいう地味な子たちもお付き合いとかするんやー」というような感じの2人やったんですが、そのカップルのなれ初めというのが女子が男子に「これ、1ヶ月遅れのバレンタイン!」と言って3月14日に告白したということやった気がする。「それホワイトデーやん」と皆して笑っていたように思うんやが、あれを笑っていたような人間だから未だに商店街には多様性社会からあぶれたおっさんの居場所を残しておいてほしいとか戯言ぬかしちゃうんだろうなって思いました。

#令和4年2月14日  #コラム #エッセイ #日記
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