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猫本サロン京都三条サクラヤ大好きやねん

自宅で猫を飼ったことはありません。いえ、猫どころか動物を飼ったことがありません。ただ一度だけ、小学生の頃、鳥が家にやってきたことがあります。「鳥」と書いたのは、雀だったか鳩だったか記憶が曖昧だからです。なにせ30年以上前の話です。仕方ないとはいえ、しかし、あれだけ印象的だった出来事さえ人は忘れるものなのか、と今、私は一人、少なからぬ衝撃を受けております。

その鳥はお昼間に突然、家に入り込んできました。私を怖がることをせず、人見知りのみならず鳥見知りをする私もなんとなくこの鳥に心を許していました。なんとなく鳥のほうも、そんな私を認識しているようでありました。普通なら人と一緒にいたら警戒してすぐに飛んでいってしまうところ、なんだか私に懐いているようでありました。

庭先に放しておいても逃げていく気配がなく、懐いたままなら飼えるんじゃないかと思っていたら一個上の近所のお兄ちゃんがやってきて、私が飼うつもりであるともしらず、手に持っていた棒きれで鳥のことを攻撃したら、鳥は大空へ飛んでいってしまいました。いまだに思い出すくらい悲しい出来事なのになんの鳥かを忘れてしまうのですから薄情なものです。

猫は昔お付き合いしていた女性が黒猫を飼っていました。実家でも私が京都に引っ越してから白猫を飼っていました。「ウメ」という猫で、数年でどこかへ行ってしまったのですが、どこかへ行ってしまってから5年ほどは母親が白猫を見るたびに「あれはウメやないか」と目で追いかけていました。

私の猫との繋がりといえばその程度のものですが、三条会商店街にある猫本サロン「京都三条サクラヤ」へ行くと猫関連の本の多さに驚きます。これだけ書籍が出版されているというのが、つまり、いかに猫が愛されているかの証ではありませんか。

猫本サロンというだけあり、「京都三条サクラヤ」には猫の本が所狭しと並んでいます。飼い方指南の本もあれば猫が出てくる小説もあるし、とにかく猫がなんらかのカタチで登場する猫本の数々。猫のことにあまり興味がないままに入ってしまうと果たして何を買おうかと悩みまくってしまいますが、幸い、店内の一角が「京都本コーナー」になっているので、私のような人間はそこだけが頼り。駆け込み寺のようなものです。とはいえ、結局毎回、猫本を買って帰るわけですが。

先日は店内に客が私一人という状況で、お店の方に見守られながら「猫のこと興味ないのバレてないかな」などと思いながら本を探していると、ご近所さんとみられるおっさんが入ってきて「お鍋の本を探しに来たんやけどな」と言うので「おいおい、ここは猫本サロンやで」と思い聞いていたらお店の方も「その棚が京都本コーナーやし、あるとしたらそこですね」と答えたものだからその商魂の逞しさに驚きました。

諦めたおっさんは「ちなみにワシ、家に猫飼うてるで」と言って出ていきました。

#令和3年12月27日  #コラム #エッセイ #日記
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