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新外国人メタバース選手

 今日の京都新聞1面のコラム『凡語』にメタバースのことが書かれていました。何も知らなければ日本ハムの新外国人選手の名前だと言われても信じてしまいそうです。と、そんな書き方をするほどメタバースのこともよく知りません。そういうのがあるということを知っているくらいです。この程度で知ったふりをしていることって他にもたくさんあるんだと思います。

 昔、何を知ったかぶりしたかも忘れましたが、知ったかぶりをしたせいでバーで上司に殴られて気を失ったことがあります。これって知ったかぶりした僕が悪いでしょうか、それとも殴った上司が悪いでしょうか、そんな社会にした時の政治が悪いでしょうか。

 私は外では息苦しいのでマスクをずらしていることが多いのですが、そうしてマスクをずらした状態で自転車を漕いでいると向こうから自転車が逆走で近づいてくることがあります。向こうが逆走しているにもかかわらず、私が避けてあげることもあります。腹が立って「逆走は危ないですよ」と指摘したくなることも有るのですが、向こうはマスクをちゃんと装着していたりします。すると私は、逆走を注意することを躊躇ってしまいます。「そういうおまえはマスクをちゃんとしとらへんやないかいワレ」などと言いがかりを付けられたりしたらたまったもんじゃないと守りに入ってしまうのです。

 メタバースにおいても、世間に浸透していけばいくほど、こうやってルール違反マナー違反が顕在化していくでしょうね。自転車の逆走はするけどマスクはちゃんと着ける人。息苦しいし外出るときくらいマスクはええやろ、と思いながら自転車の逆走は本当に許せない人。人はそれぞれにアウトとセーフの境界線を持っています。自分の持っている境界線で相手の境界線を非難してしまっていいかどうかは常に考えておかねばなりません。自分の常識が他人の常識ではないのです。なお、外出時でも四条烏丸など人の多いところではもちろんマスク着けております。閑散とした通りを自転車で通り過ぎるときはマスクをあごまで下ろしています。

 メタバースの話題から『凡語』はITの目覚ましい発展に関する話題に移り、電気信号で味や香りを再現する装置の開発が進んでいると書いていました。これについては何年か前から話題になっていて、すごい時代が来たものだと思うのですが、前に誰かが書いていて「確かに!」と思ったことがあります。たとえば鶏の唐揚げの味を装置で再現できたとして、私たちは鶏の唐揚げそのものの味を知っているからいいんですが、将来的に鶏の唐揚げを食べる前にその装置で再現された鶏の唐揚げ味のものを食べたとして果たしてそれって鶏の唐揚げの味がするものなんでしょうか。鶏の唐揚げの味を知っているからこそ成り立つものではないんですかね。

 なんか、そういう「順番」ってもっと大事にされて然るべきやと思うんですがどうなんですかね。

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