1人目の客になれた話 西院編
趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。何ヶ月か前、あれは確か、明石家電視台の収録の前の打ち合わせの日であった、と特に必要もないのに「わし、さんまさんのテレビ出たんでっせ」というアピールをしてみる。
その打ち合わせの日、大阪から帰ってきて14時にオープンした「京都屋台せせり」というお店の1人目の客になりました。いまはそのお店、予約しておかないと入れないくらいの超人気店になっており、1人目の客としても実に鼻が高いのですが、そんな「京都屋台せせり」の2階に新店ができるらしい、と聞いたのが数日前のこと。これまた、私が移転オープン1人目の客になった「居酒屋ココロ西院」で呑んでいたところ、常連のお兄さんに教えていただきました。「常連のお兄さん」などとよそよそしく書きましたが、この方は私の主催する「涌井大宴会」にご夫婦で毎回来てくださっており、西院界隈で新店がオープンする際にはいつも私に情報を提供してくださいます。「京都屋台せせり」の開店情報も教えてくださいました。ありがたやありがたや。
さて。
その2階のお店は17時30分オープンとのことだったので、いつものようにその40分前を目指してお店へ向かうつもりだったのですが、自宅でシャワーを浴びていたら思いのほか、時間が経っており、自宅を出発したのがオープン45分前。歩いて10分ほどかかるところにお店があるので、ひょっとしたら1人目の客になれないのではないか、と思いながら早歩きでお店へ向かうと、お店の前には数人の行列ができており、しもた！やっぱりあかんかったか！と歯噛みしておりましたところ、お店に近づいてみると、行列は全員、「京都屋台せせり」の開店待ちの人でした。いつもはお昼から営業している「京都屋台せせり」が今日は17時開店だったらしい。
行列が全員そっちに入っていった、ということは勘のいい方ならもうおわかりと思いますが、私の目当ての2階の店に入る人は私が最初ということです。2階へ続く狭い階段の右端には開店を祝う花輪が並んでおり、ますます入りにくくなっている、やや急な階段を上っていくと、スタッフの女性が出迎えてくださり、17時30分開店であることは知っていたので、「開店までここで待たせてもらってもいいですか」と尋ねると、男性スタッフが奥から出てきて、「オープンはまだですけど暑いから中で待っててください」とおっしゃってくださいました。
ここにオープン1人目の客が私になることが確定しました。
私の着ている「1人目の客Tシャツ」を見て、「面白いTシャツですね」とおっしゃるので、「オープンしたお店の1人目の客になるのを趣味にしてるんです」と答えたら、「そうなんですね！それならまさにこのお店の1人目のお客様ですよ！」と喜んでくださいました。素直に嬉しい。
普段は開店する前、入口前で待っているあいだにこの文章を書き、オープンと同時に店に入り、注文した品が出てくるまでくらいに書き上げてアップするのですが、今日はご好意で開店前から中に入れていただき、入店後も何かと気を遣っていただいたため、文章を書くことができませんでしたが、オープン直前のお兄さんお姉さんとゆっくり話をするなんていう機会はなかなか無いので、実に楽しく興味深く話を聞いておりました。お兄さんはもともとエンジニアだったんですが、定年退職され、一念発起し、料理は昔から得意だったので、今回、お店をオープンしたらしい。その思いきりの良さが素敵でかっこいい。お店をする経験はなく、手探りの状態ですが、頑張りますとの抱負をいただき、私はますます応援したいと思うようになりました。
見た感じからもうたまらないすよね。
「縁」というお店の名前が習字で書いてあったのは、なんと甥っ子が中学生の頃か何かに書いたもので、よく見ると「よいであい」という文字が隠れているという作品でした。とにかく「ご縁」を大事にしたいという思いをお店の名前にも込めたそうです。私もそんな「ご縁」で繋がれて嬉しいと心の底から思えるお店でした。京都のお店紹介なんていうと、メディアはだいたい、サカイの冷麺とか紹介しがちで、いや、まあ、確かに美味しいし、いい店ですけど、いつもそればっかりやんけ！と思ったりもする。埋もれがちな名店をもっと紹介したいと思うから、こういうお店をいつか紹介できたらな、と思いながら、今日はこのnoteに刻みつけておきたいと思います。
令和6年8月1日木曜日、17時30分、西院にオープンした「おばんざい縁」の1人目の客は私です。
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蠱惑暇（こわくいとま）こと涌井慎の著書『1人目の客』と1人目の客Tシャツは是非ウェブショップ「暇書房」にてお買い求めください。
8月12日（月・休）に西院陰陽（ネガポジ）にて開催する「涌井大宴会mini（仮）」でも販売します。よろしければご来場ください。
というわけで、暇書房のウェブサイトは↓
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