おまえが言うな問題について

清原和博さんが新庄剛志ビッグボスの会見時の身だしなみについて苦言を呈したそうです。このニュースを耳にして、多くの人が「おまえが言うな」と思ったのではないかしら。

国会議員に支給される文通費が在職たった1日なのに100万円支給された問題について維新の皆さんが苦言を呈したことについても、「おまえが言うな」と思った方が多いのではなかろうか。

またまた野球の話になってしまいますが、金髪禁止など身だしなみに関する規律を厳しくした中日ドラゴンズに対して、「ほんなら打撃コーチのあいつはどやねん」という意見を見たこともあります。

こういう、「おまえが言うな案件」ってすごく多いですよね。上に記した有名人の案件に限らず、身の回りでもよく見かけますよね。

ずいぶん昔の「すべらない話」でも、ベテランの男性芸人が家電量販店で加湿器を購入する際、スタッフに「ピンクと青とどちらになさいますか」と尋ねられて「男がピンクなんか選ぶか！青に決まってるやろが！」とキレたんですが、当の本人が真っピンクのポロシャツを着ていたという話がありました。

私の亡き父は生前、私が大学生の頃に「ほんまに体に悪いから酒とタバコはやめとけよ」とワンカップを呑み、セブンスターを吸いながら言っていました。

こういう案件を私たちは(主語がでかい！)ついつい、糾弾してしまいがちになりますが、これだけ毎日のように似たような案件に出くわすと、「みんなそういうものなんだ」と受け入れてしまうほうが気持ちが楽になるのではないかという気になります。

私はビジネスの世界での常識に疎いところがあるので、よく業界の先輩たちに「これが常識だ」という説教を受けることがあるのですが、その説教をしている当人が私のことを「おまえ」とか「こいつ」呼ばわりするのを聞くと「そういう口の利き方も常識なんですか」と言い返したくなるのですが、私だって自覚が無いだけで、私より立場の弱い人間に対して横柄な態度をとっているかもしれません。さっきから「おまえが言うな」と「おまえ」を使いまくっていますし。

人に厳しくしすぎるから「おまえはどうやねん」というブーメランが返ってくるわけで、普段から人に対して甘い代わりに自分にも甘くするくらいのほうが、実は楽しく生きられるのではないかしら。人に厳しくするなら、もう少し自分のことも俯瞰で見ることができていないとカッコ悪いっすよ。っていう人があまりにも多いので、自分もそうかもしれないと思いつつ、「お互い様やね」とカラッと割り切れるくらいに普段から上機嫌でいたいものだと思った次第でございます。

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