見出し画像

エッセイ『あの人はそういう人やねん』

令和4年10月5日

 この5年ほど、大袈裟でなく、本当にそのくらいの間、誰かと電車でどこかへ移動するたびに「まだ切符買ってるの?」と言われているような気がして申し訳ないと思いながらも、内心「いや〜、やっぱり現金で切符買うのが落ち着きますねん」と頑なに現金主義を変えなかった私。長年、主義を貫いていますと、「あの人はそういう人やねん」と周りが割と諦めてくれるんですが、この周りが諦めてくれるのには資格が必要で、どんな資格かといえば、すなわち、「偉い人である」という資格なのでして。昔、松本人志さんが「どんなときでも白Tシャツでいても誰にも何も言わせないようになりたい」というようなことを仰っていて、そういう人間にさえなれば、私だって誰に何を遠慮することなく、現金主義を貫き通したわけなんですが、ありがたいことに私の周りには「あんた、それはおかしいで」と言ってくださる先輩諸氏がおられるため、己のつまらないこだわりを長い年月はかかりましたが、ようやく捨て去り、本日、ICOCAを購入いたしました。

 思えば、こういうことを言ってくれる人が周りに存在することはとても重要で、なにしろ私なんぞは、もう5年も現金主義を変えなかったのに、まだ「まだ切符買ってるの?」と言ってくださる方がいるおかげで変わることができましたが、普通はこんなことは非常に稀なケースで、だいたいは一度言って変わらなければ諦められてしまうわけでして、私なんかは周りに対して研ナオコが夏をあきらめるよりも相当早くにあきらめてしまいがちで、だって、その方が楽じゃありませんか。「あの人は、ああやねん」って決めつけるということです、あきらめるっていうことは。何故かここで倒置法で強調してみた。決めつけて期待しないでいるほうが、何かと気分は楽なところ、ありがたいことに私の周りには何かと意見してくださる方が多いものですから、これは私にとって財産でしかなく、ありがたい意見を頂戴しながら、二転三転右往左往、七転八倒で生きておる次第です。

 自分というものを過信してしまうと、金言をみすみす逃してしまうことになってしまいますからね。周りを見渡してみると、見事に、みすみす逃して逃して逃し続けて結果、誰の意見を聞くでもなく、都合のいいことばかり取り入れ続けたおかげで自分の感性が鈍り続けていることに気づかずにいる船頭がいたりするわけで、私はそうならないでいられるのは、ひとえに周りの先輩後輩友人家族、とにかく身の回りの皆様のおかげで私、謙虚を履き違えずに生きていけてる気がしております。私がアホになり果てず、ぎりぎり踏みとどまれている、たぶん、踏みとどまれているのは、皆さまのおかげです。ありがとうございます。

#note日記  #日記 #毎日更新 #毎日note
#エッセイ  #ジャミロワクイ #ジャミロ涌井
#涌井慎

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?