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令和6年読書の記録 東野圭吾『赤い指』

 一昨年くらいから、すっかりはまってしまい、概ね旅のお供として東野圭吾を読んでいる私です。去年の二月頃、東京四谷の宿で刑事加賀恭一郎シリーズ第何弾かわからないけど『新参者』っていうのを読んだんですが、あれも面白かった。というのを思い出して、加賀恭一郎シリーズを読もうと決める。調べてみたら『新参者』は第八弾だったので、その一作前の第七弾『赤い指』を買いました。

 少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は? 家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。※文庫裏表紙より

 『赤い指』は倒叙とよばれるジャンルの作品でして、最初から犯人がわかっているやつです。『刑事コロンボ』とか『古畑任三郎』のあれですね。その犯人を刑事がどうやって追いつめていくか、を読ませるわけですが、これ、最初から倒叙ものだってわかってないと、なんとなく萎えるんです。
 イカリングもオニオンリングも好きですけど、イカリングだと思って食べたらオニオンリングだったとき、激しくガッカリしませんか。「言うといてくれよ〜」って思うんですよね。どっちも好きなだけに残念な気持ちが強くなる。『赤い指』も倒叙やって知らんかったから、「なんでやねーん」となったんですが、そうやって一度沈んでしまったテンションをぐいんと上げてくさる筆力、物語の展開、主人公・加賀恭一郎のかっこよさ、完全に東野圭吾に遊ばれてるやないかい!と悔しくなり、裏表紙に書かれてあった「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」の意味を知ったときに涙が溢れてしまいました。

 令和六年は何冊東野圭吾を読むだろうか。

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