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5月13日〜18日の新聞各紙歌壇俳壇チェック!

新聞各紙の歌壇俳壇独断チェック。
今後の創作の糧にする。

5月13日 日経歌壇より
●投函の後にひらめく言の葉がポスト回りにしばし漂ふ

恋文なんかも似たようなところがありますね。

●今飲んでいるコーヒーの豆たちが移動した距離想像できない

これを詠んでる時点で想像はできているほうなのではないか。見えないものに思いを馳せる。昨今のドライバー不足なんかも連想してしまう。

5月13日 日経俳壇より
●薄氷や母見送るにははの数珠

これはドキッとした。僕も多分母を母の数珠で見送るんだろう。

●葉桜や寝てていいよと先輩は

選者の神野紗希さんは「取引先へ向かう車内かな。先輩も視線の先の葉桜も優しい」と書いておられるが、私なんかは葉桜の木の下で寝転がってる高校生カップルを思い起こしなんぞした。頭ん中がいつまでも思春期やねん。

5月16日 読売歌壇より
●芋虫が春には蝶になるというこの信じがたきこの世の仕組み

当たり前って怖いのだ。この句もドキッとさせられたな。この仕組みを巧みに利用しているのがブラック企業らしい。

●諍いて今年は来ぬと観念せしそら豆届く姉より二箱

お姉ちゃん優しいっていうか大人。根に持たない生き方が羨ましいけど不思議とそうなりたいわけでもない。

●半分を過ぎれば下り坂になりぐんぐん頁が減る文庫本

読書あるある。東野圭吾湊かなえあたりはこれの塊やね。

●手のひらをおでこにあてた母恋しコロナキットを鼻に挿すたび

世の中が便利になるたびにあの温もりがなくなっていく。

5月16日 読売俳壇より
●木登りはこの木だったか老い桜
久しぶりに眺めてみたら木も年をとっていた。

●幼な子の傘くるくると花の雨
くるくるがいいですよね。なんか雨も楽しんでる感じ。傘が好きなんかも。

●アカペラのひたむきな息風光る
声変わりしたての男の子を連想しました。本体が仮に邪でも息はひたむきなのだ。

●抽斗に詩集隠しぬ新社員
こんな新社員めっちゃかわいらしいやん。詩とか小説とか、最近軽んじられすぎ。

5月16日 毎日歌壇より
●保母さんをぽっぽさーんと呼ぶ二歳 そう、言葉ってこんなに自由
ちょっと知識をかじりだすとこの自由を自ら手放してしまう。アホですわ。

●握り締めた労働条件通知書をAIならばいかに破るか
ほんまにええ加減に淘汰されるべきブラック企業。使い物にならんぽんこつばっかりのさばっていく悲劇。

●※この歌はAIによる創作が含まれており審議中です
AIが創作したりするのは全然構わないんですが、「これはAIが作りました」って言われたら読んだり聴いたりする気がなくなってしまう。後で知ったらがっかりしてしまう。名作であればあるほど。

●両腕にわたしを包む夕暮れに心臓が確かにあっていのちの重さ
肌の温もりもそうですけど、この心臓の音とか、寝息とか汗の匂いとか、そういうのを感じながら生きていかないと。

5月16日 毎日俳壇より
●夏近し品書すでにあらたまる
俳句もですけどファッションと居酒屋のメニューも季節先取りしますよね。余談ですけど、いま「春の交通安全運動」やってるのすごく気持ち悪い。

●花冷の老の列なすパチンコ屋
どこも悪くないのに病院に群がる老より好感もてる。

●ひとり居の音ひとつなき花の昼
これからの季節、蚊の音がうるさくなるんですよね。選者の西村和子さんが「音読してみると味わいが増す」と書いています。は行の連なり。

●新たなる友と教室風光る
新学期の初々しさ清々しさ。このままずっと風光っててほしい。

5月18日 産経歌壇より
●洗顔の朝の鏡に笑ひかけ今日会ふ人の眼差し思ふ
大切な人に会うんでしょうね。ぴちぴちしていてキャッ!ってなる。

●旧バージョン使いこなせず新バージョン頭の回路ショートを起こす
こういうの、僕だけじゃないんだと安心した。

5月18日 産経俳壇より
●ぴよぴよと鳴く横断歩道の春
あの音を僕も詠みたいと思ってたんだよ。先を越されちまったよ。

●楽曲は鉄腕アトム入社式
もう選曲のチョイスが古すぎるけど、古すぎるゆえに好感があります。米津玄師とか使われたら逆に嫌でしょ。瑛人の香水ならいいけど。

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