痛風に怯える

「しがない」ということばがこれほど似合う男もいないのではないか、と自分で思っている、し…

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「しがない」ということばがこれほど似合う男もいないのではないか、と自分で思っている、しがないサラリーマンです。

最近の記事

静岡「多可能」のよろこび

昨年度末の監査が無事終わって、今日は、ぼくの大嫌いな、職場の全社員参加のイベントがあった。2時間心を殺して、終わったらすぐに会場を飛び出して、新幹線で静岡に来た。 静岡には、ぼくが大好きな居酒屋「多可能」がある。7時前の、いちばん混んでいそうなタイミングだったけれど、カウンターにひとつだけ空きがあったので、座ることができた。 お酒も6杯飲んで、大満足。明日から3日連続で、地元のご常連さんのお邪魔にならないように、通う予定です。

    • 味覚の砂漠で働いてる

      ぼくの勤め先のある一帯は、お昼に食べに行ったり買って帰りたくなるような、そんなお店がまるでない。 もしもあの辺りでお店をやっている人が読んだら気を悪くしそうだから、最寄り駅の名前は書かないでおく。とにかく、コロナのあいだに、ほんの少しだけ息をしていた雑居ビルや個人店がみんな消えてしまい、名前を聞くのもおぞましい不動産屋や土建屋が、つまらないビルばかり建てて、入っている店子はどこも威張っていやがる。 だから、職場の人たちも、弁当持参か、せいぜいコンビニで買う程度で、キッチン

      • 今さらだけれど、光文社古典新訳文庫は宝の山かもしれない

        先週の木曜から、Kindleストアで大がかりなセールをやっている。文藝春秋、朝日新聞出発日、光文社、幻冬舎のアイテムが、50パーセントポイント還元で買えるみたいだ。 紙の本にこだわりがない人は、いつもの本代で、倍の冊数を買えるのだから、ぜひ活用してほしい。小説やノンフィクションの電子書籍は、マンガなんかにくらべると、全然売れていないみたいだから、この機会にみんながたくさん買ってくれればいいなと思う。回り回って、自分のような活字の電子書籍のヘビーユーザーのためにもなるし。

        • 映画を5本観てお腹いっぱい

          家からいちばん近いミニシアターで、朝から映画を5本観た。順番に、『52ヘルツのクジラたち』『リトル・エッラ』『言の葉の庭』『無名』『ありふれた教室』。 どれも楽しく観た(1本だけ、ちょっと不満の残る作品があったけれど)が、最後に観た『ありふれた教室』の、終始不快な緊迫感にやられた。通路を挟んだ隣の席のお客さんなんか、ずっと前のめりになって座っていたよ。

        静岡「多可能」のよろこび

          月刊「赤津加アワー」5月号

          今年の目標は、毎月一度、秋葉原の赤津加で飲むことだ。赤津加は、電気街のまん真ん中にある、創業七十年を超える古くからのお店で、太田和彦のにも吉田類の番組にも出たと言えば、わりに有名で、いいお店だと思ってくれる人がいるかもしれない。 この店に来たら、まずお燗。真夏でも燗酒が美味しい。お通しだけで早くも一本あけつつ、すずき刺しを頼む。この日は他に、しまあじとこちのお刺身もあったけれど、いちばん初夏らしい、と勝手に感じたすずきにした。 他に「桜ますと新じゃがとバター蒸し」、「かま

          月刊「赤津加アワー」5月号

          出版社はKindleのサンプルをもっと工夫したほうがいい(下)

          昨日は、ちょっと残念なサンプルを2つ挙げた。 たまたまどちらもレシピ本だったけれど、活字の本のサンプルだってたいていは残念な代物で、無駄な白紙のスペースやクレジット、著作権についての記述くらいしか見せてくれなくて、本文がまったく読めないなんてのもザラだ。 それでも、これは親切だ、読ませる、すぐに買いたいと思わせてくれるサンプルもあるので、3つご紹介する。 熱のこもったプロローグに続いて、ひとりの年齢制限ぎりぎりのボクサーをNHKのドキュメンタリー番組の題材として取り上げ

          出版社はKindleのサンプルをもっと工夫したほうがいい(下)

          出版社はKindleのサンプルをもっと工夫したほうがいい(上)

          Kindle端末で本を読むようになって7年経つ。端末の設定で活字のサイズを大きめにして読んでいるから、今ではすっかり目が甘やかされて、活字の小さな文庫本なんかはもう読めなくなってしまった。 家や職場の近くに大きな書店がなくて(職場の近くなんか小さな書店すらない)、手に持ってページをぱらぱら、なんてことができないから、Kindleのサンプルは本を買うのにとても重要な情報だ。アプリからだと一旦端末にダウンロードをしなくちゃいけないけれど、パソコンや、スマホでもGoogleのサイ

          出版社はKindleのサンプルをもっと工夫したほうがいい(上)

          『日の出製麺所』さんのおうどんは最強だから行列してでも食べたほうがいいよ

          先週の末から昨日まで日本橋三越に出店していた香川・坂出の日の出製麺所さんが、大行列ができるほどの盛況だったみたいだ。 ぼくの友人も日曜に日本橋へ出かけたみたいで、イートインの大行列には時間の都合で並べなかったけれど、お土産用のおうどんを、一人暮らしなのに10食以上も買ってきたらしい。それにしても、みんな「香川で1時間しか営業しない」というキャッチフレーズに心惹かれてしまうのだろうか。でも、実際、坂出のお店の大釜で茹でたのではなく、家庭用のコンロで茹でても、日の出製麺所さんの

          『日の出製麺所』さんのおうどんは最強だから行列してでも食べたほうがいいよ

          『本の雑誌 2020年4月号 特集 さようなら、坪内祐三』と「文庫本を狙え!」のこと

          2月に那覇へ行った時に、牧志公設市場にある「市場の古本屋ウララ」(素敵なお店)で「本の雑誌 2020年4月号 特集 さようなら、坪内祐三」を買った。帰りの飛行機で読むのにちょうどいいかなくらいに思っていたけれど、すこぶる読み応えがあって、とてもいい買い物になった。 生前交流があった人たちからの「追悼のことば」が味わい深かったのだが、その中でも「彼が同業者を何人か集めてタクシー会社の宣伝のような雑誌を拵えたとき、これはダメだと思った」「新宿の狭い「文壇」とやらに入り浸って、英

          『本の雑誌 2020年4月号 特集 さようなら、坪内祐三』と「文庫本を狙え!」のこと