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出版社はKindleのサンプルをもっと工夫したほうがいい(上)

Kindle端末で本を読むようになって7年経つ。端末の設定で活字のサイズを大きめにして読んでいるから、今ではすっかり目が甘やかされて、活字の小さな文庫本なんかはもう読めなくなってしまった。

家や職場の近くに大きな書店がなくて(職場の近くなんか小さな書店すらない)、手に持ってページをぱらぱら、なんてことができないから、Kindleのサンプルは本を買うのにとても重要な情報だ。アプリからだと一旦端末にダウンロードをしなくちゃいけないけれど、パソコンや、スマホでもGoogleのサイトから入ると、すぐに画面上から読める。

けれど、出版社は本当にこの本を売りたいのかな、と首を捻ってしまうような残念なサンプルが、Kindleにはとても多い。

このツイートを目にした時には、Kindle版がまだ出ていなかったのだけれど、先日ふと思い出して調べたら電子化されていて、さっそくサンプルを見たら、表紙と、口絵の部分の写真(それも商店街やお店のやつ)が4ページだけしか出てこなかった。これで得られる情報は、写真はよさそうだな、ってことくらいだ。

目次はAmazonの商品ページに載せているからカットしてもいい、という判断なのかもしれないけど、どれかひとつくらい、レシピのページを載せたっていいんじゃないか。それに、お料理の写真がほんのちょっとだけしか見られないのも、せっかく興味を持ってサンプルを開いた人に、ちょっと不親切な気がする。

なので、太田和彦さんの番組で紹介された時から気になっているお店の本なのに、まだ買えていない。

この本は、週刊文春の書評のページで知って、すぐにサンプルを確認した。表紙があり、写真があり、まえがきが全文載っている。ここまでは、普通。目次は途中で切れていて、肝心な10品の内容が、半分しかわからない。狙ってやっているのなら大したものだ。

で、これは最終的に買って読んでいるから心底思うのだけれど、この本は「①肉と野菜の2種炒め」で「豚肉とキャベツ炒め」のレシピが書かれた部部分を、できれば盛り付けのところまでサンプルに入れないともったいない。これだけの文章で、目から何枚のウロコが剥がれ落ちたことか。ただの分量や工程の説明じゃない、料理に対する考え方の根幹のところが凝縮されていて、ここを読ませれば買う人も増えそうな気がする。

出版社や作者の人がいろんな場所で一生懸命宣伝をして、せっかくAmazonのページに呼び込むことができても、その瞬間にポチッとさせないとあまり意味がないのではないか。「できれば書店でお手に取ってご覧ください」と言うのであれば、ご縁がなかったとあきらめるしかないけれど。

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