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集団ヒステリー【怪談・怖い話】

これは、私の友人から聞いた話である。

高校時代、彼らは合宿で中途半端に田舎の宿舎に泊まることになった。冬の夜だったが、生暖かい風が吹き、まるで台風の前兆のように建物全体がギシギシと鳴り響いていた。空は不気味な赤い夕焼けに染まり、その異様な光景が彼らの不安を煽った。

夜8時頃、彼らは大きな和室に集まり、座卓を囲んでおしゃべりを楽しんでいた。友人は用事で一時間ほど席を外していたが、戻ってきたときには部屋の雰囲気が一変していた。先ほどまでの賑やかな空間は消え去り、みんなが壁際に寄り添ってうつむいていたのだ。

「どうしたの?」と友人が尋ねると、一人の少女が顔を上げ、震える声で告げた。「今から大地震が来る。山も噴火して、大災害になって、もし生き残っても家に帰れないの!」その言葉は叫び声に近く、他の少女たちも泣き出し、どうすればいいのかと呟き始めた。

友人はその場の異様さに驚き、大声で「ちょっとみんな!」と叫んでしまった。全員が静まり返り、友人を見つめたその瞬間、彼女の足元で「ペシャ!」という音がした。みんなの視線が足元に移り、次の瞬間、恐怖の悲鳴が響き渡った。

振り返ると、そこには壁から落ちたカレンダーがあった。ドアの開閉で画鋲が緩んで落ちたに過ぎなかったが、そのタイミングがあまりにも完璧で、みんなの恐怖をさらに煽った。

その後は地獄絵図だった。全員が鼻水と涙を流しながら叫びまくり、「お母さん!」と泣き叫ぶ声が響いた。友人は金縛りにあったかのように動けなくなり、視線を座卓に移した。

座卓の上にはお菓子やジュースのボトルが散乱していたが、その瞬間、ガラス製のコップが突然割れた。破裂音とともにガラスが飛び散り、その光景に友人は「ハァ?」と呆然とした。しかし、そのおかげで我に返り、急いで先生を呼びに行った。

大人たちが駆けつけ、みんなを落ち着かせ布団を敷いて寝かせた。翌朝、彼女たちは何事もなかったかのように元気に過ごしていた。友人はその態度に腹を立て、一体何がきっかけだったのかと尋ねたが、誰も正確な答えを覚えていなかった。

後に、この話を知人にしたところ、彼らが使っていたコップは物理強化ガラス製で、突然壊れることがあるという。知識としては納得できたが、それでもカレンダーやコップのタイミングを考えると、何か不気味な力が働いていたのではないかと友人は感じているという。

[出典:427 :本当にあった怖い名無し:2023/05/22(月) 00:39:00.09 ID:gfxRvXe50.net]


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