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偽りの管理人【怪談・怖い話】

私はかつて、大学の片手間で定食屋の配達員のバイトをしていました。そこは長年にわたり、近隣の学生マンションへの宅配をメインの業務としてきました。しかし、ある出来事がきっかけで、一切の宅配を拒否するようになったのです。

その頃、私は夜な夜な、ある古びた学生マンションへ注文を受けることがありました。マンションの外観はボロボロで、無人のように見えました。それでも、中から「管理人室です」という声が聞こえたため、私は戸口を叩きました。するとヒョロっとした男がドアを開け、私は安心して食事を手渡しました。

しかし、その後の売上計算で、そのマンションからの注文分がすっぽり抜けていたのです。店長は不審に思い、翌日、確認に行きました。しかし、人気のない荒れ果てたマンションで、店長は「どうぞ」という声に驚かされ、恐怖のあまり逃げ帰ったそうです。

幾日かして、そのマンションから再び電話がかかってきました。店長は私に「今から店に来るみたい」と動揺した表情で告げました。しかし、その後、誰も店に現れることはありませんでした。

その後、私は都会に転居し、そのマンションのことを忘れかけていました。しかし、ある夜、留守番電話に録音された奇妙な声を聞いて、恐怖に慄きました。

「こちらは閉鎖された○○学生マンション。あなたの注文はまだ届いていません。遅れば遅れるほど、私たちの飢えは募るばかりです。今すぐ、この番号に返信してください。そうしなければ、あなたの魂を喰らってしまいますよ…」

私は電話を切り、その番号への発信履歴を消去しました。しかし、その後もたびたび変わった番号から、同様の怨霊のような声が残されるようになったのです。誰かが、私の魂を狙っているのでしょうか? 私はもはや、その理由がわかりません。ただ、あの廃虚のマンションに宿る恐ろしい何かに、私の命が狙われていることだけは確かなのです。


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