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「目の前の患者を見る」は難しい

こんにちは。

理学療法士のこうやうです。

今回は

記念すべき100記事目です。

内容は

タイトルの通り

目の前の患者を見る

ことについてです。

理学療法士の先輩だけでなく

著名な先生でもよく言う言葉ですよね。

しかし実際のところ

これはどういう意味なのでしょうか。

ROMや筋力、動作を見ることなのでしょうか。

私なりの考えについて

書かせていただきますので

よろしくお願いします。

それでは始めます。


目の前の患者を見るとは

この言葉の定義は何でしょうか。

おそらくそんなものは存在しませんよね。

よく使われている言葉のわりに

人それぞれで違う概念であり

あやふやなものだと思います。

ただ共通的なものは何かといわれれば

それは

患者に起こっている現象を見ることです。

ROMでも筋力でも

動作でも痛みでもなんでもそうです。

これは現象といえます。

しかし同じ現象を見ているのに

なぜここまであやふやなのでしょう。

私の考えではありますが

それは

対象としているものが違うからだと思います。

いいかえれば

臨床においてうまくいっていると判断するための指標

つまり

アウトカムです。


何をアウトカムにするかで臨床は大きく変わる

私は何をアウトカムにしているかで

臨床の感じ方が大きく違うと思います。

例で出していくと

痛みをアウトカムにしているとします。

これは整形外科疾患であれば

一番多いアウトカムになると思います。

なにより痛みというものはわかりやすく

患者様からのフィードバックが明白です。

実際私の病院でもほとんどのひとがそうです。

しかし痛みをなくすという手技は

ごまんとあり、

その痛みに対してベストな介入でなくても

痛みが消えることがあります。

これが理学療法に正解はない

といわれるゆえんだと思います。

ではこのデメリットはなんでしょうか。

それは

身体にいい影響なのかを判断できない点です。

理学療法士のかたであれば

わかるとは思いますが

痛みが消えることは必ずしも良い結果には

直結しません。

痛みは身体を守るためのブレーキであり

ブレーキが必要のない環境下を作って痛みをなくす

ブレーキを無理やりに外して痛みをなくす

のでは雲泥の差です。

後者は確実に身体にとって悪い影響です。

この判断ができないのが痛みのみをアウトカムにしている場合です。

しかしこのようにアウトカムを設定することは

臨床に不可欠ですがデメリットもあります。

ではどのようにすればいいのでしょうか。

答えは簡単です。

場面によって使い分ければいいんです。


アウトカムは使い分けていくべきもの

私の考えではありますが

アウトカムには要素的なものと統合的なものがあると思います。

例えば筋力やROMは要素であり

動作や痛み(疑問なところあり)は統合的なものだと思います。

前者はよく使われている印象ですね。

これは数字としてあらわすことができ

わかりやすいからです。

しかし

最終的なアウトカムは

どんな疾患であれ

QOLやADLになると思います。

このアウトカムは

統合的な部分を向上させる必要があるため

どんな場合でも

統合的な評価は必要になると思います。

つまりいえば

動作の評価も必要ということです。

要素的な結果はあくまで要素のため

その要素の改善が統合的な面に還元できているか

判断する必要があります。

つまり要素的アウトカムとしていいのか判断をする

指標が動作だと思います。

難しさはアウトカムの選択にある

患者を見ることの難しさは

このアウトカムの選択にあると思います。

外来であれば

20分という短い時間のなかで

治療と同時に評価をする必要があります。

この短い時間にさまざまな対象として

評価するのには無理があるでしょう。

しかし

よくあるROMや痛みのアウトカムのみでは臨床に太刀打ちできません。

「そんなことないだろ」と

思っている方こそ目の前の患者を見れていないと思います。

理学療法は動作的視点でみれば

想像以上に悪くするという事実に直面できていないからです。

ROMの改善や筋緊張をとるまえに

「まず改善してもいいのか」

この判断が必要です。

大変時間がかかりますが

この判断がなければ推測だけの臨床となります。

ですから

動作分析能力は想像以上に重要です。

それも異常動作を見つけるだけでなく

「良好な変化が起きているのか」

これに着目して臨床をすれば

「理学療法に正解はない」

といいづらいのも理解できると思います。

確実に悪くなるものが存在するからです。

そしてそれを判断するのもかなり難しいです。

みなさんも私と一緒に頑張りましょう。


まとめ

・アウトカムを固定すると臨床で通用しない
・アウトカムは使い分けていくべき
・動作的評価は重要
・指標とするべきものが多いことで混乱する
・アウトカムとていいのかすら判断が必要



今回はこれで以上です。

インソール信者丸出しの記事となってしまい

100記事目にしては最悪の出来ですが

お許しください。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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