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臨床推論、できてますか?

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

臨床推論

に関して触れていきたいと思います。

よく聞かれる言葉ではありますが

これを理解し、実際に実践できているでしょうか。

多くのセラピストができていないのが現状だと思います。

私がそう思う理由について書いていきたいと

思いますので

よろしくお願いします。

今回の記事は

藤本修平先生の

エビデンス活用と治療立案プロセスの基礎知識
ー臨床推論における必要最低限の知識を身に着けるー

の講義を参考にさせていただいております。

興味のある方はぜひ受講してみてください。

それでは始めます。


臨床推論とは

まず臨床推論とは何でしょうか。

定義を調べてみると

・医療専門職の臨床的実践において用いられる思考や意思決定の過程
・手がかりの獲得
・仮説の生成
・手がかりの解釈
・仮説の評価
-EBMの5ステップ
(Higgs & Jones, Clinical Reasoning in the Health Professions . 2nd ed,2000)
(Elstein  et al, Harvard University Press, 1978 )

となっております。

この過程に必要な能力として

①手がかりの客観性、エビデンス、仮説生成能力
②現象と仮説の整合性(論理性)、論理的思考
➂検証能力、意思決定能力

が挙げられます。

例を挙げていくと

手がかりの客観性・・・バイアスでみていないか
仮説生成能力・・・疑問の立て方に妥当性はあるか
論理的思考・・・手がかりの解釈は仮説に対して整合性はあるか
検証能力・・・検証できる形で介入できているか
意思決定能力・・・情報に対して偏見を用いずに適切に意思決定しているか

となります。

この時点でかなり難しいのがわかりますよね。

正直この時点でかなり多くのセラピストは

臨床推論の実践ができているか怪しくなってくるのではないでしょうか。

ちなみに私はもうアウトです。

特にバイアスですね。

臨床をしてて思いますが

「良好な効果が出るはず」「変化が出てくれ」

と思っているほど

客観的な評価はできません。

つまり熱意が邪魔なんですね。

熱意は必要なはずなのに邪魔者というジレンマです。


特に欠けているもの

私が個人的に

このプロセスの中で特に欠けていると思うものは

仮説の評価です。

過去の記事で何度も書いているので

しつこいとは思いますが

プログラムは

根拠や理論が重要なのではなく

患者様に良好な効果が出ていることです。

最近入ってきた大変優秀な後輩も

「この治療はシステマティックレビューに載っているのでプログラムに必要だと思います」

といわれましたが

エビデンスレベルが高いことはプログラムを継続する理由にはなりません。

必要なのは

良好な変化をとらえることができる観察眼です。


しかし

私の友人も言っていたのですが

治療者の再現能力がないとそもそも成り立ちません。

例えば

スクワットで良好な効果がでた研究があるとすると

その研究ではスクワットの熟練者が指導していたが

その論文をもとに実践する人がスクワットをしたことがない人であれば

再現性があるとは言い切れません。


というように

一つ一つの過程が重要であり、どれも欠けてはいけないんです。


エビデンスがないは存在しない

この業界でよく聞かれるのは

「エビデンスがない」

というものですが

実質ほぼそのようなことは存在しません。

エビデンス

エビデンスレベルのピラミッドというのは

皆が見飽きているものだとは思いますが

この最低レベルのエビデンスに

専門家の意見というものがあります。

これは

教科書に載っていることだけでなく

患者の意見やセラピストの経験則がこれに当たります。

このようなことから、意見を言うだけでもエビデンスなんですね。

エビデンスレベルはどうしても低いですが。。。。


ここで重要なのはEBMに則ることは

エビデンスレベルの高さにこだわることではないことです。

自分の探したい情報を

上から段階的に探すのがEBMの情報収集です。

例えば

脳卒中の変形性膝関節症の治療を模索するとなると

システマティックレビューでは見つかりづらいはずです。

なぜかというとかなり限定的な症例になるからです。

すると次はRCT、その次は非RCT・・・・・

というように段階を踏んでいき、症例報告を見つけたとなれば

これはEBMに則っているといえます。

しかしこの段階を踏まずにいきなり症例報告を

引用するのはEBMに則ておりません。


論文を読む最大の欠点

論文をもとに情報収集を行うことは

大変重要なことではありますが

これにはとてつもない欠点があります。

それは

研究をしている人じゃないと読めないことです。

「そんなことはない」

という人がほとんどだと思いますが

研究したことがない人が読むと

文面以外の情報はわかりっこありません。

なぜ文面以外の情報をわかる必要があるのかというと

論文は人間が書いているものだからです。

抄録や本文の結果はほとんどの方が

誇張して記載しているといわれています
(講義内容によると抄録の結論が58%以上、本文の結論が50%以上がSPINしているとのことでした)。

つまりそのような思惑を理解していないと

臨床にて実践するのは厳しいのではないでしょうか。

論文は記載できないことも想像できて

やっと読めると思います。



今回はこれで以上です。

なかなか難しいことを書きましたが

正直私も理解できていないことがたくさんあります。

一緒に頑張りましょう。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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