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保存リハと術後リハの違い

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

保存リハと術後リハの違いについて話していきたいと思います。

みなさんは保存リハと術後リハ、どちらが好きですか。

私は答えがありません。

なぜかといえば外来リハビリをしたことがないからです。

そんな保存療法ニワカの私が話していくので

説得力がないかもしれませんが

ご了承ください。

結論から述べますと

保存リハ=環境を与える
術後リハ=環境を整える

というのが違いだと思っています。

なぜこのように考えているのか。

私なりに話していきたいと思いますので

よろしくお願いします。

それでは始めます。


保存リハの特徴

まず保存療法の特徴は何でしょうか。

それは

障害ということです。

つまりけがをしたわけではないけど

疼痛やROM制限などの機能障害に至った症例

ですね。

つまりいえば

機能障害が単なる結果に過ぎない可能性が高いということです。

身体はよくできていて

自らが悪い方向にもっていくことはまずありません。

ですから

痛みがあろうが機能制限があろうが

ある意味ではベストな状態であるということです。

ですからROM制限でいうと

ROMを阻害している因子を除去して

環境を整える(筋緊張や疼痛の改善)よりも

ROMを出しやすい環境を与えることが重要になってくる

私は考えます。

肩関節周囲炎でいえば

肩甲上腕関節の可動域を制限している因子の除去ではなく

肩甲上腕関節の拘縮(防御反応)→肩甲上腕関節の過可動

に至った原因の除去が最優先となります。

その原因が肩甲胸郭関節の可動性低下とすると

そこの可動性を出してあげる

つまり

肩甲上腕関節が安心して動くことのできる環境を与えることが重要です。

このような流れからも

局所の知識では治療を行うことができないといえます。

保存リハの特徴
①障害に対するリハビリである。
②機能障害の原因が疾患部位ではない場合が多い
➂疾患部位を動かしていい環境を与えることが重要



術後リハの特徴

特徴の一つとして挙げられるのは

外傷した状態ということです。

骨折がこれにあてはまります。

しかしTHAやTKAのような変形した関節に対するopeは

例外なのでしょうか。

私はそのように考えておりません。

なぜかといえば

opeで身体に侵襲を加えた時点で外傷に近いといえるからです。

骨折部の周辺もそうですが

ダメージが加えられた組織の周辺は

必ず癒着・瘢痕化します。

これは組織を固めることで

できるだけ周辺組織を動かないようにして身体を守るためです。

これは術後の過度な筋緊張もあてはまります。

筋肉をガンガン働かせて関節を固定しておきたいから

あのような反応が出るんです。

いってしまえば

癒着・瘢痕化や筋緊張は身体を守るための反応といえます。

しかし我々はその反応を悪として除去しようと

努力します。

理由は簡単で単純にこの反応はいらないものだからです。

脳ではわかっていますがopeはあくまで

治すためのものです。

しかし身体は原始的な部分がありますから

「骨折した部分にさらに傷を加えられた」

ぐらいにしか認知できません。

ましてや人工骨頭のような代わりの関節があるなんて

認識できるはずもない。

大昔はそんなことできるはずありませんから。

つまり医療技術が進歩したことによって

癒着・瘢痕化や筋緊張が過剰な反応となったわけです。

だから私たちはこの反応を取り除いていかなければならないのです。

これが前述した「環境を整える」ことだと思います。

opeの影響は全身に波及していくものです。

皮膚を傷つけられるだけでも大きなリスクがあります。

この術後の影響をできるだけ取り除き

疾患部位の環境を整えることが重要と考えます。

術後リハの特徴
①外傷(ope自体がそれに近い)が大きな問題となっている
②医療技術の進歩によって、防御反応が「過剰」という扱いになっている
➂疾患部位周辺の環境を整えることが重要


防御反応をどう捉えるかが方向性の違いになる

これまで説明しましたが

この「防御反応」をどう捉えるかが

一番の違いになってくると考えます。

保存療法ではこの防御反応は悪者扱いにはなりません。

悪者扱いしていることが多いのが現状ですが

この反応を邪魔するのは悪化させる原因になりかねないです。

しかし術後リハでは

この防御反応をいかに取り除くかが重要となってきます。

なにより術後の影響は

障害への引き金になりかねません。

時間があるときにみていただきたいのですが

歩行の立脚初期に骨盤がsway(トレンデレンの一歩手前)しているかたの

対側の下肢にはだいたい何かしたの既往歴があります。

推進力低下につながっているものがなにかしら

あるということです。

この2つのリハビリは密接に関係しているものだと思いますので

どちらの知識も取り入れることが重要だと思います。

みなさんも

病期ごとのリハに限らず

ぜひさまざまな期間のリハビリを勉強してみてください。



今回はこれで以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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