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理学療法士の最大の敵

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は理学療法士にとっての天敵について話していきたいと思います。

私たち理学療法士は

文字通りの人を治す職業なわけですが

やはりこの曖昧な概念であるゆえのとある天敵がいます。

結論からいうと

それは・・・・・・・・





思い込みです。

「そんなの知ってるよ!」という方が多数だとは思いますが

残念ながらこの思い込みというのは

誰もが遭遇する者であり

そのまま臨床を続けている人もたくさんいます。

なぜここまでいるのか。

それはこの職業特有のあることから来ています。

私なりに説明していきたいと思いますので

よろしくお願いします。

それでは始めます。


思い込みはなぜダメなのか

まずなぜ思い込みはダメなのでしょうか。

これはおそらくみなさんの想像通りだと思います。

患者さんの効果判定ができないからです。

厳密にいうと客観的な評価ができなくなります。

効果判定は治療方針を決めるための重要因子の一つですが

思い込みが強くなればあるほど

主観的な視点、言い換えると

「ROMが改善していてほしい」「歩行がよくなってほしい」

という施術者の希望的な観点

になり、実際大した変化ではなくても

「治った」と勘違いしてしまいます。

ではこの思い込みはなぜ多いのでしょうか。


なぜ思い込みが多いのか

私の中ではこれには二つの理由があると考えています。

あげると

①根拠または理論があるから
②臨床推論をはき違えているから

だと思います。


①根拠または理論があるから

これははっきりいってかなりやっかいです。

なんでこのプログラムにしたのかのきかれても

だいたいのセラピストは根拠を必ず持っています。

この職業は「根拠を持つ」という風潮がかなり強いですから。

ですから1年目の人はバイザーのフィードバックを受けるときに

「なんでこうしたの」「これに理由はあるの?」

と問い詰められているはずです。

文面だけでみるとなんか怖いですね。

個人的に思うことですが

この風潮はあまりよくないと思います。

それはプログラムの目的をはき違えているからです

プログラムは患者を治すために作ります。

であれば根拠よりも患者への効果をみなければならない。

私はプログラムに根拠を求めることよりも

即時効果はあったのか、いい変化がその場でみられたのか

が百倍は重要と考えています。

なんならプログラムを選ぶ理由は

患者にいい効果があったからで十分ではないでしょうか。

こういうと

「筋トレは長期効果を望むものだからわからない」

と意見する人がいますが

そもそも高齢者にかけられる負荷はたかが知れており

あくまで筋を活性化させる程度だと思います。

筋疲労させるまで追い込むのは高齢者にとってはリスクですし

そんなことをするのはボディビルダーで十分です。

ですから短期効果もないものに長期効果を望むことが愚策です。

しかし残念ながら理学療法業界の風潮により

根拠ありきの理学療法

が当たり前となっています。

根拠は仮説を立てるうえで重要なのであり

患者が悪くなったり効果がなかったりすれば

どれだけ完璧な根拠をもっていても

実施し続ける理由はありません。


②臨床推論を履き違えている

実はこのことは

前述した根拠ありきの風潮の原因である

と私は考えています。

臨床推論は仮説と検証です。

仮説を立てる人は多いのですが

検証までいく人はなかなかいません。

検証し、実証されてはじめて臨床推論は成り立つ

と思うのですが

机上の空論を並べて

「効果はあるはず!」

と思い込むことが一番危険です。

ですから実のところ、プログラムがルーティン化されるのは

本来はありえないはずなんです。

しかしルーティンのようなプログラムを行い

「治った」といっているセラピストがいるのが現状です。

実はこのことを実感した出来事がありました。

私の持っている患者さんで膝の痛みが急になくなった方がいたのですが

フィードバックの際に「なんで治ったのかわからないですね」

と言ったら、先輩から

「それはよくない。根拠をしっかりもたないとダメ」

と言われました。

たしかにわからないものをわからないままにするのはよくない

とは思いますが

実証できていない仮説はただの妄想です。

何の価値もない。

しかしこの業界はどうしても根拠を求めたがる。

これはいいように見えてかなり悪い影響を与えているといえます。


まとめ

・思い込みは一番の敵
・根拠を求めることは勘違いの一端になる
・臨床推論は仮説と検証である
・根拠を持った仮説も実証がなければ価値はない

今回はこれで以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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