体幹筋力低下の功罪
こんにちは。理学療法士のこうやうです。
今回は
体幹の筋力低下
に関して話していきたいと思います。
良く腰痛を患わっている患者様の問題点として
あげられるのが
体幹の筋力低下です。
よく背臥位での股関節屈曲位保持や
スタビリティエクササイズが困難だと
このように評価されると思います。
しかし私にはこの評価がはなはだ疑問です。
なぜこのように思うのか
私なりに書かせていただきますので
よろしくお願いします。
それでは始めます。
体幹の筋力低下って??
いきなり疑問からぶつけていくと
なぜかわかりませんが
体幹の筋力低下と表現するときだけ
何の筋が筋力低下しているのかが曖昧なんです。
下肢の筋力低下であれば
大腿四頭筋やらハムストリングスやらと
特定した筋の筋力低下で表現されます。
しかし体幹はどうでしょうか。
内腹斜筋の筋力低下や腹横筋の筋力低下というように
筋を特定されることなく
体幹の筋力低下と表現されるわけです。
これは非常におかしい話です。
体幹の筋も下肢の筋と同じように
協働的な作用を持ちながら個別の機能は違うからです。
ではなぜ言わないのか。
これはたった一つの事実が原因です。
それは
体幹の筋力低下という表現を用いる人のほとんどは
体幹のどこの筋力が低下しているのか言えないからです。
MMTがない
なぜ言えないのかというと
体幹の筋の個別のMMTが存在しないことです。
腹直筋や腹斜筋がありますが
このMMTは残念ながら
筋の選択的収縮を促しているものではなく
体幹の総合的な筋力を評価しているにすぎません。
正直な話
体幹に限っては選択的収縮はかなり困難です。
つまり筋収縮で評価すること自体現実的ではないということです。
このような事実が
体幹の筋力低下という曖昧な表現を作り出していると思います。
曖昧さが曖昧な評価を作り出す
ではこのように考えると
体幹の筋力低下という表現は仕方がないのでしょうか。
いえ、そんなことはないと思います。
それどころか、この曖昧さゆえの
評価の利便性に乗っかっている人が多い印象です。
例えば
SLRができない人に対して
体幹の筋力低下
片脚立位がうまくできない人に対して
体幹の筋力低下
ただ体幹の筋力が関与しているであろう
動作が遂行できないだけで
このような評価をされます。
これは
あまりに適当すぎると思います。
このような評価では
プログラムは考案できないと思います。
体幹の評価が曖昧なのが現状
MMTだけでなくFACTといったような
体幹筋力評価の基準がありますが
残念ながら
どこの筋の筋力が低下しているか
まではわからないのが現状です。
腹横筋や横隔膜に関しては
バンドを巻いて作用を補助するような状態を作り
動作の変化をみることで
評価できますが
やはり限定的な印象です。
誰か評価法を作ってください。
まとめ
・体幹の筋力低下という表現は曖昧である
・選択的な筋収縮が困難であるため評価自体難しい
・この曖昧さゆえに問題点の一つとして乱用されている
今回はこれで以上です。
今の時代はエコーがあるので
選択的な筋収縮というものが画像でみることができる時代です。
もしかしたら筋収縮法が新たに発掘されるかもしれません。
これからの先人に期待したいところですが
臨床家こそ探求するべきものと考えているので
日々研鑽していきましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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