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肩の痛みと関連のある機能とは?

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

肩の痛みと機能

について書いていきたいと思います。

今回も海外論文の翻訳と簡単な要約をさせていいただきましたので

よろしくお願いいたします。

それでは始めます。


回旋筋腱板疾患患者の可動域と筋力と、痛み、障害、健康関連の生活の質における患者の視点との関係



The relationship of range of motion and muscle strength to patients’ perspectives in pain, disability, and health-related quality of life in patients with rotator cuff disease (researchgate.net)



はじめに

 回旋筋腱板疾患は、一般集団によくみられる疾患であり、痛みや身体障害を引き起こし、生活の質を低下させる。腱板疾患患者の臨床的評価には、臨床医が問題点を特定し、治療計画を調整できるようにするための客観的評価(可動域や筋力など) および主観的評価(痛みの強さ、障害、生活の質など) が含まれる。患者の症状、機能、および生活の質の状態を反映するPatient-reported outcome(PRO) アンケートは、主観的評価を行う際の重要なツールである。しかし、報告によると、臨床医は肩の痛みのある患者を評価する際には、可動域 (ROM) や筋力不足などの身体検査の所見が優先事項であると考えている傾向にある。また臨床現場における理学療法士のPROアンケートの使用率は低い。このような傾向の理由の1つとして挙げられるのは、多くの臨床医が臨床的評価は機能や他の症状に対する患者の認識を反映している可能性があると考えていることである。患者の主観的尺度に対する価値観が客観的評価に関連している場合、PRO アンケートは臨床使用において不要であるといえる。
患者において、身体障害が症状に関する患者の価値観を反映しているかどうか、またはその逆であるかどうかの知識は、臨床的に関連する情報を抽出するために重要です。腱板疾患患者の治療前または手術後のいくつかの客観的測定値と主観的測定値との関係を調査した研究がいくつかあるが、それらは異なる結論に達しており、それらの関係は不明のままである。この研究の目的は、回旋筋腱板疾患患者の理学療法の前後に、PROアンケートを介して収集されたROMおよび筋力の変化と、痛み、障害、および健康関連の生活の質スコアの変化との関係を見出すことである。本研究の結果を文献に示されているものと比較すると、さまざまな治療アプローチや使用されたアンケートの役割など、この集団におけるこれらの関係に関する科学的および臨床的に意味のある情報が得られる。

参加者

腱板疾患と判断された患者39名

介入

 理学療法プログラムには、患者教育、ストレッチ、筋力トレーニングおよび自宅での運動プログラムが含まれていた。治療期間は、理学療法士を週3日、自宅でのエクササイズを1日1回の内容で6週間実施された。理学療法士がPNF(ホールドリラックス法)を実施し、肩関節の制限および/または痛みを伴う動き(屈曲、外転、2nd内旋および外旋)を行った。

可動域の測定

屈曲、外転、および2nd内旋と外旋をゴニオメーターで最終域まで測定した。

筋力測定

 最大等尺性筋力は、ハンドヘルド ダイナモメーター (Lafayette MMT 01165、Lafayette Instruments、IN、USA) を使用して測定し、屈曲・外転および内外旋を実施した。

肩の痛みと機能状態

 職場や生活場面における肩の痛みによる影響について13項目からなる質問紙(SPAID)にて評価した。

結果

 肩関節外旋の可動域・筋力の変化量と肩の痛みと機能状態に弱い相関がみられた。

感想

 この研究では外旋の可動域および筋力の変化が肩の痛みや機能障害の変化に関連していることを示唆している。肩関節の外旋可動域は臨床上も重要視されており、屈曲・外転動作は外旋可動域は特に必要とされている。しかしこの研究では2ndポジションでしか測定しておらず、外旋でもどの肢位がいいのか、探求できる余地がある。これは内旋も同様である。また研究規模が小さいことと弱い相関でしかないことから、結局のところその患者さんにとって重要か、個別性を考慮して臨床に取り組むべきだと感じた。



本日はこれで以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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