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【連載】第5次本州紀行~小樽→新潟→酒田→青森→北海道 第8話(最終話)「休眠」(苫小牧駅~岩見沢駅) ※ホテル禁止

(3)苫小牧駅~岩見沢駅「休眠」

改札を出る。駅隣接のコンビニ「ハマナス」で最後の食糧補給を行う。
貴重な札幌直通・ほしみ行普通列車が待ち構えているが、スルーだ。
今回も室蘭線・岩見沢経由で帰る。黄色線区の輸送密度に少しでも貢献だ。やはり乗客は少なかった。今後が心配である。
景色の良い路線でもあるのだが、やはり眠気には勝てない。長万部までに多少寝てはいるが、所詮は仮眠みたいなもので、充分な睡眠とは言い難い。ここでも眠らせてもらうことにしよう。
デクモ置き換えが進む中、国鉄型キハ40がまだ走っているこの区間は貴重だ。いつまで乗れるかわからないから、今のうちに乗っておくことにする。輸送密度は低いが、喧しい札幌圏をバイパスできる路線なので意外と重宝するし。
志文駅の名物カーブに差し掛かる頃には、私の眠気も多少取り除かれていた。終点は近い。岩見沢は旅の終着ではないが、ここまで来るともうすぐなので、実質終点のような感慨を覚える。

岩見沢駅到着。寝過ごしている客はおらず、全員無事に降りたようだ。
一旦改札を出て駅前の夜景を眺める。懐かしき学生時代の淡い記憶がほんの一瞬脳裏を掠める。彼らとまた合う日は来るのだろうか。それとも、あの日が最後の時間だったのだろうか。答えは神のみぞ知る、ということなのだろう。感傷に浸りつつも、そのまま7番線へ向かい、札幌方面の列車に乗る。
長い長い旅が終わり、次の旅へのインターバルが始まる。
未知の世界への憧れと、日常から脱却したいという欲求。
そうした思いが消えない限り、私の旅も終わらない。
さあ、次はどこへ行こうか。
どこかはわからない。その日が来るまでは・・・。
(完)


おわりに

ホテル禁止本州紀行・新潟編、今回で完結です。長きに渡るご精読、本当にありがとうございました。
新潟駅を目指す過程で迷ってしまい、ナビに魂を売ってしまったことが大きな反省点でした。しかし、この反省点は次回の旅に生かされなかったので、今後戦略的に対策を練る必要があるかもしれません。
いずれにせよ、「ナビを使わない」ことは新たな目標であり、更なる冒険者としてのレベルアップにも欠かせない要素だと感じています。
次回もホテル禁止の猪突猛進旅をお届けします。
お楽しみに!

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