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【読書案内】主要新書を紹介する



1.岩波新書

日本初の新書。1938年創刊で歴史も長い。「岩波ジュニア新書」という若者向けの姉妹レーベルもある。
現在は赤表紙が定番だが、かつては緑や黄色の表紙もあった。本によっては専門的な記述も多く、やや難しい印象もあるが、幅広いテーマを扱っており、色々読むだけで知識が深まる。
おすすめは丸山眞男『日本の思想』、宇沢弘文『自動車の社会的費用』『社会的共通資本』など。


2.ちくま新書

教育、格差、高齢化、地方衰退など、社会・教育問題を多く扱う新書。1994年創刊で、姉妹レーベルに「ちくまプリマー新書」がある。
山下祐介『地方消滅の罠』『限界集落の真実』竹田青嗣『ニーチェ入門』などがおすすめ。哲学の入門シリーズは読みやすくて大変良い。


3.光文社新書

30代くらいのビジネスマンを主な読者層として想定している新書。2001年創刊。
デザイン・内容共に親しみやすいものが多いが、当たりはずれも大きく、岩波に比べると信頼性で劣るか。
高田明典『難解な本を読む技術』、三浦展『再考 ファスト風土化する日本』などがおすすめ。ブックオフの100円コーナーで掘り出し物を見つけよう。


4.中公新書

歴史・教養系に強い新書。1962年創刊。田中角栄や平沼騏一郎など、人物の評伝も多い。岩波と同様、格調は高いが、記述がやや学術的・専門的で取っつきづらいかもしれない。学校の授業で詳しく扱わなかった歴史や人物について知りたい人は中公新書を繙こう。


5.講談社現代新書

1964年創刊。新書としては分厚いものも刊行することがある。ジャンルも幅広く、ハウツー本から哲学書の解説までカバーしている。
東浩紀『動物化するポストモダン』をおすすめしたい。オタク文化や現代社会を考察する上で参考となる書籍だ。


6.集英社新書

現代の政治や社会問題を主に扱う新書。1999年創刊。
斎藤幸平『人新世の「資本論」』鈴木道彦『プルーストを読む』などがおすすめだ。
光文社新書同様、どちらかと言うとライトで若者向きと言えるかもしれない。


7.平凡社新書

1970年代に「平凡社カラー新書」が始まったのを起源とし、1999年に創刊。
『日本マンガ全史』『みんなの民俗学』などサブカルチャーや民俗学関係の本も多数出版されている。専門的な本もあるが、それなりに親しみやすい新書と言えるだろう。


8.おわりに

今回は新書を紹介しました。新書は一般的な学術論文より読みやすく、価格も手頃です。そのため、興味のあるテーマをざっくり理解するのに最適です。ブックオフの100円コーナーも活用すると、どんどん興味の幅も広がると思います。
もちろん、より深く研究したい場合は、更に専門書を読む必要が出てくるでしょう。ただ、「所詮は新書」と侮るなかれ、です。興味を広げることは、考え方・生き方を豊かにする第一歩です。

本をあまり読まない人はとりあえず、読みやすそうな新書から始めてみるのも良いと思います。それこそ、若者向けの「ちくまプリマー新書」や「岩波ジュニア新書」でも構いません。
こちらも児童・若者向けと侮るなかれ。基本的な知識を丁寧に解説してくれるので、場合によっては通常の新書より役立ちます。
「大人が児童書を読むのは恥ずかしい」という思い込みは日本海に捨ててきてください。
全くそんなことはありません。
本好きの私があえて断言します。
良質な児童書に年齢は関係ない、と。
新書を読んで知を深めてみませんか?

今回の記事は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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