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[ウルトラマンの日記念]国語辞典に載った特撮ヒーロー

本日7月10日は「ウルトラマンの日」だそうだ。

どうして7月10日が「ウルトラマンの日」なの?
 1966年、「ウルトラマン」の第一話「ウルトラ作戦第一号」が放送される7月17日より一週間前の7月10日―ウルトラマン、ウルトラ怪獣、科学特捜隊、が出演し、ウルトラマンの生みの親である円谷英二もゲストで登場した「ウルトラマン前夜祭ウルトラマン誕生」という番組PRイベント(於:杉並公会堂)が公開録画中継で放送されました。
 そう、ウルトラマンがお茶の間のテレビに初めて登場した記念すべき日が7月10日なのです!

円谷ステーション

この「ウルトラマン」がとある辞書に載っているのである。その辞書とは、三省堂が出版する「三省堂国語辞典」(以下「三国」)である。「三国」は現在第七版まで出版されているが、「ウルトラマン」が載っているのはそのうちの第四版(1992年)と第五版(2001年)のみである。どちらも同じ語釈で、接頭語「ウルトラ」の中にあった。

ウルトラマン(名)〔和製英語Ultraman〕 SFテレビ映画「ウルトラマン」の主人公。宇宙から地球に来て、正義のために怪獣たちとたたかう。

「三省堂国語辞典」第四版

実は、国語辞典に固有名詞が載るのは極めて稀である。あれもこれもと入れてしまっては、収拾がつかなくなってしまうことは容易に想像できる。新語・流行語の扱いに関して、「三国」第四版の序文には次のように記されている。

新しいことばもできるだけ多く、なるべく早く採録すべきだと考える。

「三省堂国語辞典」第四版

将来日本語として定着すると思われる語を抜き出すのは容易なことではなかった。

「三省堂国語辞典」第四版

「三国」の先見性は見事だった。「ウルトラマン」は間違いなく日本語として定着した。筆者を含め少なくない数の少年たちが、赤白帽のつばを立ててかぶり、ヒーローごっこに興じたものである。

参考動画:【マジカパーティ アニメ】第7話「正義のヒーロー? アカトリシロウ!」(2分34秒〜)※期間限定配信の可能性があります。

ちなみに、「三国」第四版に遅れること16年、「ウルトラマン」は「広辞苑」第六版(2008年)にも採録された。こちらは独立した語として配置されている。

ウルトラマン(和製語) 1966年(昭和41)から放送された円谷プロ製作のテレビ番組の主人公。銀色の体をした巨人に変身し、怪獣などから地球を守る。スーパーマンになぞらえての命名。

「広辞苑」第六版

なお、ウルトラマンが戦う「怪獣」についても興味深いことがわかったので、改めて紹介したいと思う。

書きました→【怪獣】という言葉はいつから使われているか

引用元・参考文献

三省堂国語辞典 三省堂
第四版 第13刷(1996年2月10日発行)
第五版 第9刷(2004年1月10日発行)

広辞苑 岩波書店
第六版 第1刷(2008年1月11日)

佐々木健一「辞書になった男 ケンボー先生と山田先生」文春文庫、2016年、52ページ〜56ページ。

画像はいらすとやさんより。

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