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【レビュー・感想】失敗の科学。失敗から学習する組織、失敗しない組織

この記事は4分で読めます。📚 2022/2更新

今回の記事も自身のアウトプットという目的でのnoteです。

新入社員時から190冊読んできた中から、メモを見返しながら書籍の紹介記事を書いております。

本日は最近KindleLimitedで無料で読んだ「失敗の科学」です。

<こんな人におすすめ>
・飛行機事故が減っていく理由、医療事故が減らない理由を知りたい人
・失敗を防ぐために視点を変えたい人
・過去の世界の失敗事例から学びたい人

個人的評価:☆☆☆☆☆
amazonカスタマーレビュー☆×4.5

なぜ、「10人に1人が医療ミス」の実態は改善されないのか?
なぜ、燃料切れで墜落したパイロットは警告を「無視」したのか?
オックスフォード大を首席で卒業した異才のジャーナリストが、医療業界、航空業界、グローバル企業、プロスポーツリームなど、あらゆる業界を横断し、失敗の構造を解き明かす!

2022/2時点でAmazon Kindle Unlimitedで無料閲覧できます。

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1.まとめ

哲学者フランシス・ベーコンの言葉
「人間は一度意見を決めると、何事もその意見を支持するものとして捉える。反証が存在しようも消して受け入れず有害な固定観念により自身の考えを神聖化し続ける」

ハドソン川の奇跡のサレンバーガー機長
「身に付けてきたすべての航空知識、ルール、操作技術は人の命の犠牲の上に成り立っている。その犠牲を払って得てきたものを次世代に繋いでいくかなければならず、なかったことにすることは人道的に許されない

失敗は恥ずかしいものではなく、学習の支えにしなければならない。間違いが大きければ大きいほど、大きな進歩に繋がる。航空業界、医療業界の事例は、未来の顧客の生命を救うことに繋げていかなければならない。

<物事を進めるうえで必要な設計>
・自分が間違った方向に進んでいることを知る手段(信号)を持つ。
・客観的なデータを参照して自分の判断の是非を問う機会を持つ。

2.全体の感想

一番記憶に残ったのは、①医療業界の実態②医療業界と航空業界の失敗に対するアプローチの明確な違いです。

回避可能な医療過誤による死亡者数は年間40万人(2013年Journal of Patient Safety患者安全ジャーナル掲載論文)にのぼり、「これはボーイング747が毎日2機墜落している計算になる」というのは筆者の上手い記述方法でした。私の記憶にも強く残りました。

もちろん、医師の過労状態&緊急性のある中の業務ということもありますが1万2420種類(WHOリストアップ)の疾患&障害に対して診断と処置・治療をしなければならないのは、常人のサラリーマンでは考えが及ばないほどの苦労があることが伺えます。

また、医療業界では事故が起こった経緯について日常的なデータ収集をしている。しかし航空業界では独立の調査機関を用意し、特定のパイロットを非難せずずべてのパイロット、航空会社、調査機関の学びのチャンスとしていることがこの本を読む中でよく伝わります。

3.印象に残る点をいくつか

①失敗から学ぶ姿勢について
失敗から学ぶべきなのは、何も航空業界や医療業界だけではないと思います。私のいる製造業での日常業務はもちろんスポーツ選手、製薬業界、等どんな場面でも「なぜ失敗したか」「そもそも失敗しないようにどうすればよいか」をこの本の実際の事例を踏まえて考えていかないといけませんね。

②失敗を防ぐシステムについて
失敗が起きるのは、熱意やモチベーションの問題ではない。人間の心理状況を踏まえたシステム(機械だけでなく広義の意味で)設計がされていることでヒューマンエラーを防ぐ。

③フィードバックは道を示す明り

4.まとめ

哲学者フランシス・ベーコンの言葉
「人間は一度意見を決めると、何事もその意見を支持するものとして捉える。反証が存在しようも消して受け入れず有害な固定観念により自身の考えを神聖化し続ける」

ハドソン川の奇跡のサレンバーガー機長
「身に付けてきたすべての航空知識、ルール、操作技術は人の命の犠牲の上に成り立っている。その犠牲を払って得てきたものを次世代に繋いでいくかなければならず、なかったことにすることは人道的に許されない」

失敗は恥ずかしいものではなく、学習の支えにしなければならない。間違いが大きければ大きいほど、大きな進歩に繋がる。航空業界、医療業界の事例は、未来の顧客の生命を救うことに繋げていかなければならない。

<物事を進めるうえで必要な設計>
・自分が間違った方向に進んでいることを知る手段(信号)を持つ。
・客観的なデータを参照して自分の判断の是非を問う機会を持つ。

内容は以上です。

失敗について過去の医療業界、航空業界の事例をメインに並べつつ「なぜ起きるか」「どうやって防ぐか」「失敗に気づくためにはどうするか」といったことを説明しています。

人の命に関わることだけでなく、人が生きていく上で失敗から学んだことを経験に変えていくことの重要性を理解できた気がします。事例が多いですが最低1度は読んでおきたいほどかなりお勧めです。

2022/2時点でAmazon Kindle Unlimitedで無料閲覧できます。

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こちらは参考

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