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応援されたいなら、まず応援しよう

「自分の好きなことが、ありのまま応援されたらいいのに」
と思ったことはありませんか?

勉強や仕事、スポーツやコミュニケーションができることは、将来にも役立ちそうだから、評価されやすい。でも遊びや趣味は、自己満足と思われがちで、あまり評価されません。

「個人的な興味だって、応援されれば勉強や仕事につながるはずなのに」

……そんなジレンマを抱えながら、小学校の先生として「学び」の本質を探求している涼さんの物語を紹介します。

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◆ 涼さんは、ひらめきやつながりが生まれる瞬間が大好きです。

知的好奇心が旺盛で、「なんで?」「わかった!」の瞬間が楽しくてたまりません。中学・高校の頃は友だちの勉強に付き合い、大学ではボランティアで学習アシスタントや子どもの居場所づくりにも参加してきました。

今も学校の先生として働きながら、教育系の団体の運営に参画したり、自分でも教育や勉強の役に立ちそうな情報を発信したりしています。

「人を応援することで、自分も応援される。そんな循環って素敵だ!」

教育への想いを持っている人たちと関わる中で、涼さんは「応援されることの嬉しさ」を知りました。それを分かち合いたい気持ちもあって、涼さんは今の仕事や活動を通して子どもたちと関わっています。

そんな涼さんの活動が広がるまでには、ちょっとした葛藤がありました。

◆ 自分の想いと、人とのつながりのバランス

涼さんは子どもの頃、ゲームクリエイターに惹かれていました。画面の中でキャラクターが自在に動く姿を見て、内心思うことがたくさんありました。

「これはどうやって作ってるんだろう? 自分も作ってみたい!」

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しかし、ゲームへの興味を応援してくれる大人はあまりいません。それに、一人で探求するのは、ちょっと寂しい。いつも誰かとつながっていたくて、純粋に自分の興味だけに熱中することはあまりありませんでした。

決してそれがつらかったわけではありません。友だちとの遊びや勉強から、新しいひらめきやつながりが生まれていくので、それも心から楽しめていました。

「ゲームを作る感覚で、テストを作るのもおもしろいかもしれない」

自分の興味を探求するだけじゃなく、人にも喜んでもらえると嬉しい。そんな思考が働いたのか、中学生になる頃には、クリエイターより学校の先生に興味が移っていました。「先生」という進路なら、まわりの大人も応援してくれます。

これは後になって気付いたことですが、この「誰かと一緒にいたい気持ち」が、涼さんの活動を広げる原動力になっていきました。

◆ 寂しさは、行動を加速させる諸刃の剣

大学へ進学しても、人といたい気持ちは変わりません。ボランティアとして、たくさんの活動に参加しました。

学習支援、教室アシスタント、塾講師、貧困対策や居場所づくり……教育にもさまざまな形があり、さまざまな想いや考えを持った人がいます。学校の先生を目指しながら、「教育といっても、いろんなカタチがある」ということにも気付けました。

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ただ、時間とエネルギーは無限にあるわけではありません。

たくさんの人と出会い、さまざまな活動に参加していくと、少し心に余裕がない時も増えてきました。誰かといると、寂しい気持ちは埋まる。でも、それだけではうまくいかないところも出てきます。

「楽しいから今はいいけど、このままじゃパンクしそう……」

出会いや活動の広がりがどこへ収まるのか、わからないまま予定だけが埋まっていきました。人と一緒にいたい、人の力になりたい、でも、それだけでは続かない。

自分のやりたいことは、時間の使い方や人との関わり方を考えないと、バランスが取れなくなっていくということに涼さんは気付きました。

◆ どうすれば自分は応援されるんだろう?

涼さんは少しずつ自分と向き合いながら、人と支え合える関係を見直し始めました。

「仕事や活動を続けていくには、自分の軸を持つことも大切かもしれない」

過去を振り返ったり、人の話を聞いたり、自分のことも話したりしていくうちに、涼さんは子どもの頃の気持ちを思い出してきました。

「もともと、何か新しいものを生み出すことが好きだったな」

人と一緒に過ごす時間も好きですが、心の底では「自分の興味」も応援されたい。人のことだけじゃなく、自分の気持ちも、大切にできるともっといいかもしれない。そう気付いて、涼さんは自分のやりたいことも自分が中心になって始めるようになりました。

すると、まわりの人も涼さんの活動を応援してくれました。

「涼さんは、いつも力を貸してくれてるから」
「もっと涼さん自身がやりたいことも聞かせてほしいな」
「純粋に子どものことを考えてて素敵だと思います」

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かつて自分だけではできなかった興味の探求が、人から応援されることでできるようになってきました。それが嬉しくて、涼さんの活動はますます広がっていきました。

「応援されたければ、まず応援しよう!」

以前、教育系のイベントで出会った人に言われたことがありました。涼さんはそれを思い出して、改めて「自分のやりたいこと」と「人のやりたいこと」のバランスって大事だなと感じました。

◆ 応援の循環を生み出すために

「もし、子どもの頃の自分が、こんなことを知っていたら……」

人生に「もしも」はありませんが、その想いを持って涼さんは子どもたちをサポートする仕事をがんばっています。

「応援されたいように、応援する」

かつて自分が応援してほしかったように、子どもの応援をしながら、自分の活動も応援されていく……そんな「応援の循環」を増やしていく涼さんの活動が今日も続いています。

応援しすぎてパンク気味の涼さんがこれからどんなバランスを築いて応援の輪を広げていくのか、物語はまだ始まったばかりです。
(To be continued...)

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(執筆責任:勉強を教えない塾福幸塾)


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