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『私にはこの会社を守る義務がある』 という詭弁
この夏休みを利用して、Amazon Primeで以下のドラマを一気に見ました。
『しんがり 〜山一證券 最後の聖戦〜』
『空飛ぶタイヤ』
いずれも、大企業の不正が暴かれていく様子を描いたものです。
「しんがり」はそのタイトルにあるように、破綻した山一證券の事実をもとに描かれたドラマ。
そして「空飛ぶタイヤ」は、三菱自動車で発生したリコール隠しの事件を元に書かれた池井戸潤の小説が原作です。
この2つの物語には、共通するあるシーンがあります。
それは、不正を働いたそれぞれの企業のトップが以下のように述べるシーンです。
「私には、この会社とその社員や家族を守る義務がある。」
つまりは、不正行為は仕方がなかったことであり、自分は悪くは無いと言い訳をするシーンです。
つくづく、人は弱い生き物だなと感じました。
自分にとって都合の良い言い訳が見つかると、すぐそれに飛びついてしまう。
しかしその本意は、自分の身を守るためについた、自分自身に対する嘘だと感じます。
現実の世界でも、この手の企業の不正を伝える報道は後を絶ちません。
その根底にあるのは、程度の差はあったとしても、人の弱さだと思います。
トップのみならず配下の部下達も、自身の立場が悪くなる事を恐れ、逆らうことも諫言することもなく指示に従い、同じ罪を犯してしまう。
そして、トップの行為に疑問を感じながらも直接的な行動を起こさない社員達。
崩れゆく組織は、弱い人たちの集まりだと分かります。
ただこれら物語は、そんな弱さにも立ち向かい、迷い葛藤しながらも、自分の信念に従い行動を起こす一部の人々によって大きく揺れ動きます。
最後は正義が勝つ、のではなく、弱さを認めながらも勇気を持って立ち向かえる人が勝つのでしょう。
ただ現実の世界は、それ程甘くもないかもしれません。
権力や圧力に屈して泣き寝入りを余儀なくされる人もたくさんいると思います。
でも、だからと言って諦めてしまえば何も起こりませんし変わりません。
大勢に巻き込まれず、そして立場や肩書きに関係なく、自らの信念に基づいて行動できる者がどれだけその組織に存在するか。
その人たちの存在が、その会社(組織)の命運を左右するのかもしれません。
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