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工作舎の隠れ推し本#04 3万4000種の静かな悲鳴 『滅びゆく植物』

note連載企画「工作舎の隠れ推し本」の第4回は、滅ぼされてゆく植物たちの生物多様性の旅をめぐる『滅びゆく植物』です。記事の最後に、プレゼント企画の詳細が書いてあります。ぜひご応募ください。


『滅びゆく植物』
ジャン・マリー=ペルト ベカエール直美=訳

滅びゆく植物たちの寿命と特徴

『工作舎の隠れ推し本』のために、カラー口絵の樹について調べてみた

●リュウケツジュ(竜血樹)
寿命
数1000年級
特徴
傷がつくと血のような真っ赤な樹液を流す

© Boris Khvostichenko CC BY-SA 4.0 from Wikimedia Commons

●レバノンスギ(レバノン杉)
寿命
数1000年級
特徴
乾燥や暑さに弱いため、栽培や移植が難しい

●バオバブ
寿命
数1000年級
特徴
果実や葉、花、種子など樹木全てが食用可能

●世界一太い木
寿命
数1000年級
特徴
メキシコにあり、幹回りが36メートル(2022年3月13日朝日デジタルより)

© The lmadatter

●ブリストルコーン・パイン
寿命
数1000年級
特徴
世界最古の生きた樹木
標高が高い位置に生息し、葉はほぼなし、幹はトルネードのよう

●サンザシ(西洋)
寿命
数100年級
特徴
西洋の白色または薄紅色の花をつける(普通サンザシの花は白のみ)

●オーク(日本名:ナラ)
寿命
数10年
特徴
耐久性や耐水性が高く、硬くて丈夫

CC BY-SA 3.0 from Wikimedia Commons

●イトスギ
寿命
数1000年級
特徴
細長く真っ直ぐに伸び、世界中で公園樹や造園樹として重用される

●セントポーリア(アフリカスミレ)
寿命
数年
特徴
18~25度くらいでカーテン越し程の明るさがあれば、一年中花が咲く

●ハルパゴフィトゥム(悪魔のかぎづめ)
寿命

特徴
ライオンも殺せる植物

©Roger Culos, CC BY-SA 3.0 from Wikimedia Commons

●タビビトノキ
開花時期
5〜9月
特徴
本来は海抜0〜1500メートルの湿潤林や草原、岩場に見られる。種は青色

© CEphoto, Uwe Aranas CC BY-SA 3.0 from Wikimedia Commons

●アルアウディア
寿命

特徴
丈夫で気遣い無用な大型の多肉植物

●メドゥサジン
寿命

特徴

Googleリサーチで出て来ず

●アングレクム
開花時期
冬~春に咲くことが多い
特徴
花の後ろ側から「しっぽ」のような距(きょ)と呼ばれる器官がある

●ウツボカズラ
開花時期と寿命
6~7月に黄色い花が咲き、10年ほどの寿命
特徴
ぷっくり膨らむつぼ型の捕虫袋が魅力的な食虫植物

●ヤシ(ココ・デ・メール=オオミヤシ)
寿命
半世紀以上1世紀くらいまで
特徴
世界で一番大きい種子(セーシェルにある)

●ハイビスカス
開花時期と寿命
開花は5〜10月頃、寿命は5〜10年くらい
特徴
その日のうちの枯れてしまう「一日花」。原色の鮮やかな花色が魅力

●プルメリア
開花時期
6~10月ごろ
特徴
ハイビスカスと同様に、ハワイのレイによく使われることでも有名

●アラマンダ
開花時期
4月~9月ごろ赤い花が咲く
特徴
樹液(白い乳液)は、植物毒のアルカロイドを含んでおり、嘔吐や腹痛の原因になる

●カエサルピニア
開花時期
5〜10月ごろ
特徴
フリルのついた華やかな花弁と、長く突き出した10本の花糸

●カエンボク(火焔木・スパトデア)
開花時期
3~8月
特徴
ジャカランダ、ホウオウボク(*)と共に世界三大花木
*ホウオウボク(フランボヤン・鳳凰木)初夏~秋、総状花序に鮮朱赤色の五弁花を咲かせる

●ジャカランダ(紫雲木・シウンボク)
開花時期
初夏
特徴
鮮やかな青紫色の花

●ランタナ
開花時期
5~11月
特徴
花の色(オレンジ、赤、黄色、オレンジ、ピンク、白など)を変化させながら半年以上咲き続ける

© Alvesgaspar CC BY-SA 3.0 from Wikimedia Commons

以上
「バオバブ」は全部食べられる樹なのに、身近に売ってないのが意外
あとがきに記されている「生物多様性」という造語は、40年近く経って漸く普及してきたように思う(小倉)


著者紹介

ジャン=マリー・ペルト(Jean-Marie PELT)
1933年、フランス生まれ。薬学と自然科学を学ぶ。大学では植物生物学・隠花植物学・生薬学などを教え、文部省や外務省、国立科学研究所、海外科学技術研究局の研究、教育派遣任務を受託、世界各地で教鞭をとりながら、その土地の植物相を観察。民族植物学・民族生薬学などの研究を行なっている。さらに、生態学者として、71年にヨーロッパ・エコロジー研究所を創設、その所長を務めている。フランスでは最も人気のある植物学者として、著作も多い。

書籍情報

『滅びゆく植物』
ジャン・マリー=ペルト ベカエール直美=訳
●本体2600円+税 ●四六判上製 268頁
1998.6刊行

本書目次

第1章 インターネットによる追跡
第2章 世界で一番長寿の木
第3章 長寿記録を破ったクレオソートの木
第4章 オークとサンザシ
第5章 砂漠のイトスギ
第6章 スミレいろいろ
第7章 チューリップ物語
第8章 絶滅の危機にある薬用植物
第9章 最果ての島、セント・ヘレナ
第10章 マダガスカルに日が落ちて
第11章 セーシェルには変わったココヤシがある
第12章 侵略者のおびやかされるレユニオン島
第13章 ニューカレドニアの針葉樹とヤシ類
第14章 ブルドーザーで破壊されるサラワクの原生林



プレゼント応募方法

X(旧:twitter)facebookで「#工作舎の隠れ推し本プレゼント」をつけて投稿した方、あるいはメール(saturn@kousakusha.co.jp)でご応募の方に、最大3名様に抽選で『滅びゆく植物』をプレゼント!
当選した方には、DMメッセンジャーメールにて連絡いたします。期日は「2024年3月6日(水)」まで。皆様、どしどしご応募ください!

次回の更新は2024年3月6日(水)。紹介書籍は奇想天外な二次元の世界『プラニバース』です!

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