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今あることを続けることができるか

AM4:40。
攻殻機動隊か、パトレイバーか、押井アニメのような夢のあと目が覚めた。薄暗い実家が無人の戦闘機械に強襲を受けるというような。そんな内容の夢。

そういえばお風呂にも入らず、歯も磨かずに眠ってしまったのだった。やっってしまった。覚えているのはAM0:00を告げるスマホの画面。仮眠をとるつもりが寝入ってしまった。

先週から今週にかけていろいろ詰まっている。日曜も朝から晩までイベント仕事に対応していた。終わってから今日明日で準備をしなければいけないものそろえているうちにやってくる睡魔。キッチンに残った洗いもの。寝る前にお風呂入らないと疲労がとれないのをわかっておきながら仮眠という愚策をとってしまう。嗚呼。

大事な仕事や楽しみにしているイベントが盛りだくさんな時期。体調崩したくない、風邪ひきたくない。もうひと眠りしたいところに喝を入れてとりあえず歯磨きをし入念にうがいをする。ゴロゴロゴロと。その勢いのままあらいものを片付ける。水が冷たい。その流れに身を任せシャワーを浴びる。ああ、偉いぞ、おれ。

熱いシャワーは最高に気持ちいい。なんで昨日のうちに入浴を済ませなかったんだろうと、だいたい寝落ちで迎えた朝は後悔している。ただ服を脱いで浴室に入ってしまえばいいだけの話なのだが。

温まり、体が緩んでくるといろんなことが頭に浮かぶ。頭を洗いながら目を瞑ったままでイメージに浸る。脳内で自分と自分の会話がはじまる。

「いかに続けることができるか」

先日、ある方とそんな会話をしたのをふと思い出した。
出会って8年とか9年とか、そのくらい。その方のやっていること、持っている信念、それをずっと継続していること、出会って以来すごく密に接しているわけではないが自分の在り方に影響を受けている一人だ。尊敬しているという表現がぴったりの。

今年はその方とめずらしく顔を合わせる機会が多い。といっても今年2回目? 3回目? そんなところだと思う。顔を合わせない年もある。それでも久しぶりなんだけどそうでもない気がするのはSNSのおかげか。

個人で事業をはじめて、志や社会的な意義は大きいけれど、それが成功したり、ましてやずっと続けていけるなんて、当時の同業者の人たちは絶対に思わなかっただろう。

それでも10年以上続けていて、応援だけじゃなくて実質的に支えてくれる人もできてきて、いつの間にか法人化する規模になっていた。どんどん役割も変わっていった。

今に至るまでに無茶をしてきているのは外野の僕も知っている。それが今の状態をつくったともいえるけれど、一緒に働く仲間が増えた以上、自分と同じ熱量や働き方を強いることはできない。事業が駆動していくように、自分に何かあっても続いていけるように(ひいては従業員をちゃんと食わせていけるように)想いを伝えていくこと、あるいは残していくこと、続いていける仕組みをつくっていくこと。

「いったんの完成形は向こう30年後を考えている」

そんなことをおっしゃってた。そのときその方は80歳手前。おそらくやっていることやその信念からして規模が大きくなりすぎることはないはず。後世に「残す」ことや「つないでいく」ことを大切にしているその人だから、小さい規模でもずっと持続していく方法を模索していくのだろう。それが結構難しいことなのは僕も10年社会人やるなかでわかってきたことだ。

その方も表から見れば上手くいっているように見えるけれど、「来年は終わったな…」と思う瞬間が幾たびとあるらしい。でも、それもフリーランスを長年続けてきた経験から慣れている部分もあるだろうし、だからこそ「続ける」ことの大変さと大切さを熟知しているのだろう。

個人で仕事を受けるようになってまだまだペーペーの僕からすればなんだかほっとできる会話ができた。それで現実の状況が何一つ変わるわけではないのだが、気分が晴れると状況との向き合い方も変わる。心が晴れる。

がむしゃらに働くことが美徳でないし、かといって忌避することでもない。でも日々を平穏無事に過ごしたいし、なにより元気でいたい。たまに体調崩していいけれど、バッドなタイミングで罹りたくない。それか、そのバッドさをいなせるようなしなやかさを養いたい。

知ってもらうとか、成功するとか、結果を出すとかって欲望の前に、いかに今あることを続けていけるかがなんでも基盤にあるのだなと悟った早朝のシャワー。顔を拭いているときに気づいた口元のでっかいニキビ。ああ、胃腸が弱ってるのかな。

そんで思い立って書いたこの日記。
AM6:45。あんだけ真っ暗だった外はいつの間にか青く光っている。

頭がさえわたる前に、もう1時間だけは眠らせてくれ。



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