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201X年6月 淀ム風の街
パンダの街のすぐそばのゴッドハンドことTA氏のところで身体をほぐしてもらっていた時。「来月、淀む風の街にいくんだけど遊べる人いないかな?」と相談を受けた。日を聞くと、Hラサワが大阪でライブをやっている日ではないか。つまりあれだ。街には馬の骨が沢山いるし遊べる人も沢山いるではないか。なんてことは1mmも思わず、航空電子で招集かけたらいいじゃん、という至極簡単な答えにたどり着いた。
かくして7月には頭が最もおかしかった時期の最も頭がおかしかった集団が集まることとなった。相変わらずの愉快な仲間たちで、あの時集まったのは奇跡だよなあなんて思いながら喋り続けて食べ続けて飲み続けた。久々に会ったギターの天才IS氏は元気だったが今はギターは弾いていないようだ。あの才能をほっとくのは頂けないしなんとかしたい。シンセ担当で、ソロを弾くときに口が独特の形になるKS氏の会社では人に言えない話ばかりが繰り広げられたのだが、翌朝、その議事録が飛んできて笑った。素晴らしい。さらにはKS氏が酔っぱらった勢いに全員で背中を押して、ウーリッツァーを買ってて笑った。
冗談みたいに話してることが次々と実現する集団。全員でなくてもこの破壊力。全員いたらえらいことになる。
さて翌日、酒の残ったふらっふらの状態で炎天下のディープゾーンへ行くと、一足先にTA氏が徘徊して小麦粉ツアーをしているらしい。それはそうと、ここはミラクルが起こる場所なのでかなり好きだ。昔、街を歩いていたらばったりSH師匠に会い、その晩にステージに出てもらうなんてことをしたのもここだ。なんてことを思い出しながら、「祭リの門」と呼ばれた建物があった場所へいくと、プロレス興行が行われていたので心行くまで堪能。
が、、、視線を感じる。どこからかわからないが、不気味な視線を感じる。このタイプは暗闇からの視線だ。正体がつかめないままそっとプロレス興行をあとにし、注意深く視線の在処を探しながら街を徘徊。その視線を感じなくなったところでようやくホステル兼カフェのカフェで休憩をした。活気があっていい感じのカフェだ。たしかここは劇団がオーナーで大道具さんが内装を作ったとか、そんなことを聞いた気がする。ちょっと素敵じゃないか。
なんてことをぼおっと考え、僕は少しほっとしてコーヒーを飲んでいる。
20分くらい経った頃だろうか。ガヤガヤとした雰囲気の音が急に遠くなり、ふいに視線が飛んできた。。。。。。その視線はそのカウンターの奥からのものだった。
「あナタの*+J%は!“#R$ですか?」
「え???」
「あナタの*+J%は!“#R$ですか?」
「あ、いや、わかりません」
「アなたが居たあノ門は、少シ開いテイたヨ」
「どういうこと???」
「……」
ふと気づくと元のガヤガヤした空間に戻っていた。店を出て歩いていると、サブカルの街のN氏らが歩いていてぎょっとしたが、、、そうか今日は馬の骨かと納得した。したのだが、やけに空間が捻じれた感覚を受けた。
夏になると川の多いこの街の空気は淀む。
しかし今日の「淀む風の街」にはとても違和感がある。あの暗闇の目はなんなのか?あの声は??
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