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201X年10月 親しミノ街

なんとなくLCCのセール情報を眺めていたら目に入ってきた『親しミノ街街』行きのチケット。なんとなく、本当になんとなく『ぼおっと出来るといいな』と思って購入していた。

何をしようかと調べたり友達と相談したりしてるうちに、『古式マッサージ4日間で取得可能』というのを見つけた。スケジュールを見ると、水木金土で受けられそうだ。ということですぐに申し込んだ。

現地到着翌朝から4日間のレッスン。使い慣れない筋肉を使い続け、練習台として揉まれ続けることでへろっへろ。毎日早々に寝て早々に起きて行ったが、苦労の甲斐あって土曜の夕方にはなんとか卒業。まるでドラクエの一面からアイテムを集め回っているような感触だ。

ここでようやく余裕ができたので、宿に戻って初日に支払ったお金を確認したところ、予めクレジットカードで引き落とされたデポジット分をだぶって支払っていたことが判明。宿の人への説明(片言の世界語)がうまく通じず困っていたらいつもロビーに居る宿の住人が助けてくれた。助けてくれたのは刺青のにいちゃん。面白くてあっというまに仲良くなった彼はデザイナーでネットで衣服を売っている。デザインの納品と受注と出荷指示はスマートフォンでできるので、どこに居てもいいとのこと。ああ、だからいつも宿でスマートフォンいじってるのか。。。などと思っていたら「チャリーン」という音がした。売れたらこの音がなるんだよ、いいだろ?と嬉しそうに教えてくれた。

彼がすごいのは、自分のデザインした絵を自分の身体に彫っていることなのだけど、『最初の頃彫ったやつは、下手な職人がやったからダメなんだよ、ホラ』と言って見せてくれた。
たしかに、、、これ、下手すぎやろ(笑)

話を聞くと、以前この近辺に住んでいたらしくとても地理に詳しい。夜は遅かったが、せっかくの週末なのでナイトマーケットに行くことにした。彼は世界語大陸後現地語を扱う。途中まで世界語だったが、僕のあまりのわからなさに大陸後に切り替えてくれた。

街では実質現地の人しか使えないバス(行き先も何も書いてない、数字だけが書かれた小型バスというかトラックの荷台。おそろしく安い。)に乗り、ナイトマーケットへ向かった。ナイトマーケットでは、僕は変な極東の島国語のTシャツばかりを物色し、彼はリアルタイムに入ってくる「チャリーン」にずっと対応してた。

翌日も一緒に街を徘徊。極東の島国の言葉や文化が、現地のフィルターを通ってされる表現が素敵だ。素敵だと感じるポイントが違うことが浮き彫りにされて素敵だ。堂々と間違ってるのも素敵だ。

彼はふわふわと笑っている。「な?わかっただろ?」と言わんばかりの表情だ。

とてもいい感触だ。人も、気温もとても暖かい。

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