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201X年10月 旧極東の海辺の街1
昔々、極東の一部だったこの街に来るのは2度目だ。1度目に来た時には、街には沢山の露店が並び、得体の知れない料理やまがい物が沢山売られて活気にあふれていたのを覚えている。
着陸時に見える風景は1度目と変わらない。空港に降り立つと、スピーどノ街とは違う、どんよりとした昔の空気感に包まれる。北の地域の昔の工業地域の感じだ。空港職員も素っ気なく、さっさと行けと言われる上に、壁の広告にも空白が目立つ。
昔と違うのは地下鉄が走っていることだろう。言葉は現地語しか通じず、所謂世界語もほぼほぼ通じないローカルさ加減。
素っ気ないのには変わりないのだけれども、以前と違う気がするのは、こちらが望むこと、探しているものなどを一生懸命現地語で伝えようとしたら応えてくれようとしてくれることだ。現地語が全くわからないと、素っ気なさも相まってとてもしんどいのだけれども、その壁を越えると少し見える景色が変わる。
街に出て驚いた。露店が全くないのだ。喧騒と熱量は何処に行ったのか???見回すと、1度目の時よりもビルが沢山になっていることと、やたら光っていることが気になる。変わらないのはこの地域に居る人から感じる独特の雰囲気だけだが、なぜだかどこか薄ら寒い。
うーん、、、まあ考えてもしょうがない、鍋でも食べようかと店に入り現地語で注文をしたところ、堰を切ったようにどわーーーーっと現地語で話されて困惑した。ゆっくり喋ってもらいなんとか注文する事が出来たが、なかなかにハードコアだ。
食後、どうしても豆乳を買っておきたくて、コンビニに行くも売っておらず、医者はどこだ?の勢いで街を徘徊するも一つも見つからず。諦めてホテルに戻った。
あるはずのものがない。
昔々の旧極東の国の空気と、1度目に僕がこの街に来た時の感触と今の感覚が奇妙に入り混じっている。
色々考えるのはやめよう、とホテルに戻ってWi-Fiに繋いだら西側のサービスの一切に繋がらなくなってしまった。そう、今僕は完全に壁の向こうだ。
ここには長くは居られない。そんな感覚がある。
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