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201X年5月 黒ノ街

星の名の付くLCCの格安チケットをゲットしたおかげで訪れた南国は結果から言うと物凄く高くついた。

初日。
深夜、空港に到着。LCC専用のターミナルには、有象無象のタクシー。ぼったくりが多いと聞いていたのでどうやってチョイスするべきか考えあぐねていたところ、警官らしき人が居たので「どのタクシーに乗ればいい?」と尋ねて乗った。が、これがいけなかった。街まで500-1000円で着くはずのメーターがものすごい勢いであがっていく。街までいくらかかるのか聞いたところ応えてはくれず「お前何ジンだ?」と聞かれたので「極東ノ島国カら来タ」と答えたのが悪かった。運転手はその後も返事に答えない。しばらくして渋滞に入る手前「高速ニ乗るゾいイカ?」と聞かれたので「OK」と答えた。高速に乗ったところで運転手が口を開いた。「街までは6000円だ。嫌ナら此処デ降りロ。」時速100kmくらい出てる中で言われた。もちろん返事はしない。途中、ぶつかってきたタクシーが居たが知り合いのようだ。笑いながら無線でやり取りをしている。ホテルの傍について改めて交渉。言われるがままに支払ってしまうと、現金がなくて泊まるとこにすらチェックインできない。メーターが2500円くらいを指していたのでそれを支払おうとしたがもめる。無線で連絡をはじめた。囲まれたらアウトだと思い、結局4000円くらいのところで話をつけた。

街は深夜のセンター街の裏あたりのようだ。若者を中心に人があふれている。タクシーを降りてチェックインしようとしているとドン!と爆発音。そして異臭。そんな中、目と鼻を覆い、息を止めてホステルの中へ。入り口にも各フロアにもガードマンが居て安心したが、逆に言うとそれだけヤバいということであろう。

まずは寝てしまおうと自分のフロアにあがったら、黒いガードマンが暗闇で白い歯を見せながら言った。

「良ク来タな。トりアえズ此処ハ安心ダ。今日ハ寝ロ。」

(※夜の写真がない理由はまた後日)

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