201X年10月 旧極東の海辺の街2
昔、小学生だか中学生だかの頃に連れて来られた時は多分はじめての海外で、この街のわけのわからない熱量に当てられた記憶がある。その時は、街の中いたるところに露店があって、人々が群がっていた。価格もびっくりするくらい安くて、よくわからない食べ物の匂いが蔓延して偽物のブランドバッグやら何やらがひしめき合っていた。
そこにあったのは熱量だった。
今回、空港を降りた時に感じたのは暗さ。いつのまにか地下鉄が通っていたので移動して、目的の駅で降り立ったところ、きれいにライトアップされたビルが目についた。
あれ?こんなだっけ???
露店が見当たらない。ビルの脇に入ればるかな???と思ってウロウロするも1つもない。
どこか変な時空に迷い込んだ感がある。街の形は同じだが、露店は一つもなく、何より熱量が感じられない。
まずはご飯をたべようと思って食堂に入った。出てきた料理は現地のものでほっとしたけど価格が高い。極東の国と大差ないじゃん。。。味はたしかに求めていたものだし、街の匂いもそのままなのだけど、決定的に以前とは違う。ううむ。。。。。。元々工業の街なので廃れてしまったのかもしれない。でもビルや街はきれいになって発展してる感じはする。デパートでは正規品が正規の値段で売られている。とても奇妙だ。
翌日、メインステーションそばの地下に潜った。閑散とした商店街を進んで行くと店が増えていき、「おにさんみていくだけただね。ニセモノ安いよ。ほらビトんの財布。ほらニセモノ!」と呼び込みをしている。おお!この感じだ!と中に入ると国境の街の壁の向こう側から運ばれてきた偽物がわんさか渦巻いている。周りの商店も同様だ。さらに地下に行くと中古携帯専用市場があり、得体と素性のしれない携帯電話がうずまいている。こういうところを探したらAndoroidで動くiPhoneがあったりするのだろう。さらに地下に行くと露店のような店舗が集まったフロアに出た。そして地下にいけば行くほど活気がある。
そうか、当局の規制にあって地上にいられなくなった人たちは地下に潜ったのか。それも、物理的に。
そこにはたしかに、昔感じた熱気があった。
#写真はある地下街の様子 。トイレがある場所にテナントが入っていて笑った。そこに店いれるんだw
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