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映画『Fukushima50』を観て

こんにちは。高校5年生です。

前回に引き続き、映画の感想記事をお届けしていきます。作品名は『Fukushima50』、2020年に公開された映画です。

出演しているのは佐藤浩市さん、渡辺謙さんなど豪華な俳優の方々です。原作はジャーナリストの門田隆将さんという方が、関係者への取材を元に描いた「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」というノンフィクション本です。皆さんご存じ、2011年3月11日の午後2時46分に起きた東日本大震災の様子が描かれていて、福島第一原発とその周辺の地域が舞台となっております。
先程のリンクから予告動画が観られるので、良かったらチェックしてみてください。作品の雰囲気が伝わるかと思います。

では、感想を書いていきます。ネタバレは特に配慮しないので、気になる方はご注意くださいませ。

まず冒頭から驚かされたのは、津波の描写や走って逃げている人々のリアルさです。CGでしょうが、本当にこうやって波が迫ってきたんだろうなと信じてしまうダイナミックさでした。
東日本大震災が起きたとき、私は小学4年生でした。報道される映像や画像がものすごいインパクトを持っていたのではっきりと覚えております。しかし、私より年下だった人達は小学3年生以下だったわけですから、もしかしたら覚えていない人もいるかもしれません。2011年以降に生まれた世代は、東日本大震災のことを知らない人もいるでしょう。そんな人達に、ぜひ1度この映画を見て欲しいと思いました。それくらいリアルな映像でした。

映画は「地震から○○分後」と時系列で進んでいきます。地震から54分後に緊急時対策本部が組織されました。4時間59分後には官邸で会見が行われました。その後、ベントの仕組みを説明しているシーンがあります。混乱の最中というのもありますが、現場のことを分かっていないトップが立っていると、非常時にこれだけ動きが遅いのかとびっくりしました。現場が現場のことを1番よく分かっているにも関わらず、現場が主導権を握れない状況。日本の組織でよくありそうな構図です。

また、総理の視察があるからとベント開始をストップさせているシーンも怒りがわきました。総理の視察ってそんなに大事なのでしょうか?視察をすること自体は悪いことではありませんが、一刻を争うときに現場の動きを止めてまで来る必要はないのでは?総理は専門家ではないので直接見に来るのではなく、中央で現場の判断を聞き、必要に応じて人を送ったり物資を送ったりする調整役をした方が良いのではないかと思います。

18時間18分後に10キロ圏内の全住民の避難が確認されました。ベントの開始です。
原子炉建屋の地下1階トーラス室の映像、すごかったですね。歩いたところに、靴の跡がジュッとついておりました。中に入った作業員の方が「暑い、暑い」と言っている姿が、原子爆弾が落ちたときに市民が「暑い、暑い」と言いながら川に飛び込んだといわれていた様子と重なりました。
場面が変わって体育館のシーン。起きたのが3月ということで、体育館では卒業式の準備がなされておりました。日常に突然起きた災害だったのだと、胸が痛みます。

後半に移るにつれ、涙が止まらなくなりました。68時間15分後に3号機が爆発し、81時間後に圧力が730キロパスカルになり、87時間後に総理がTV会議に出席して「撤退したら東電は潰れる」と話し……。時折出てくる家族や娘のエピソードも、見ていて苦しくなります。本当にこんなことが日本で起きたのかと。

最後のシーン。「今年も桜が咲いたよ」という言葉とともに、満開の桜並木が映し出されます。そのときの私はもう泣きすぎていて、何を見ても涙が出る状態でした。桜を見ても涙が出ました。

ラストに東京五輪が「復興五輪」として開催されることになったことが明かされました。ちょうど東京五輪・パラリンピックを巡って談合したとして、大会組織委員会の大会運営局元次長・森泰夫容疑者など4人が逮捕された時期だったので、「こんな思いで開催された大会が、お金で汚れたオリンピックだったなんて……」と余計に泣けました。

これから東日本大震災当時を知らない世代が増えていきますが、私のように当時の記憶がある世代が語り継いでいかなければと思います。

以上、「映画『Fukushima50』を観て」でした。
最後までお付き合いくださってありがとうございました。
また次の投稿でお会いしましょう!

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