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みんなのフォトギャラリーから写真やイラストを使われた回数が5000回突破したと通知が。 使ってくれたnoteはマガジンにまとめています。写真使ってくれた方々のnote|Koukichi_T SNS速報/ストックフォトグラファー|note 記事投稿時のアイキャッチ画像設定の際に、みんフォト検索で「koukichi_t」と検索すると出てくるかと思います。よかったらどうぞ ひさしぶりに追加しようかな。 主にイラストはSuzuriでグッズ販売したりもしてるのでどうぞ。Suzu
キミは暴力的な引用をする。それはぼくの目に入ってくる。朝から嫌な気持ちだ。だけどぼくは、それを指摘しない。 バズってる文章に、記事にコメントを書くように感想を書く人はいるさ。それにヒヤヒヤする事もあるけれど、キミのは明らかに違う。 あれは暴力だ。 見知らぬ人が、見知らぬ誰かと会話している。そこに割って入って、失礼な引用をする。聞いてもいないのに言葉を投げつける。 たまたま目に入った言葉でイラッとして、言葉を吐き捨てたくなる事はそりゃあるだろう。それを吐き捨てる時に、相
「あ、死んだわ」 死ぬ直前の声というのは、もっと逼迫して、到底人間の出せるものではない断末魔みたいなものなのかと思っていたが、案外俺の口からは呆けた声しか出なかった。 これは俺に限った話ではないと思う。 ほんの数秒前までは、「晩飯どうするかなぁ」とか「クレカの引き落としきついな」とか「横の女の子の脚綺麗だな」とか、そんなシュレッダーされた散り散りの紙屑みたいなことを考えていたが、不意に死が迫った直前になって咄嗟にその思考を切り替えられるかといえば、そんなはずはない。 そもそ
山奥の無人駅。私以外には誰もいない。時刻表の、一時間に二本ずつしか列車が通らないことを示す数字が、掲示板に浮いた錆と共に、この土地の中途半端な淋しさを物語っていた。 待合の、コの字型に配置された木製のベンチの端に腰掛ける。私以外には誰もいない。時刻は午後四時。そろそろ夕暮というものが山肌を紅く焦がすであろう。ベンチの背凭れの上に開いた吹き抜け窓の向こうに、所々紅葉し秋の気配を孕んだ山が聳える。 次の列車が到着するのは三十分後。私は立ち上がり、ホームから身を乗り出してレールを眺
「ねぇお兄さん。ちょっといいかしら?」 突然、その女性は俺に声をかけてきた。全くの他人であるその人は名前を「アカネ」と名乗った。妻に離婚を、上司からはリストラを突きつけられた俺は、行くあてもすることもなかったからその女性の誘いにのった。 「話しを聞いて欲しいだけなの。」 女性はそう言って話し始めた。 目が悪いのって不便だと思う?……そうよね。 世の中の大半の人が不便だって言うと思うの。 でも、私は案外便利だと思うのよ。 とても使い勝手の良い目のつくりになるから。 分からない
夕立のカーテンの向こう側、きみとぼくの境界線。 ひとり立つきみはびしょ濡れ、土砂降りの雨を見上げてる。 こっちといえばどんより曇り、低気圧が頭の周りを締め付ける。 走っても走っても、追いつけない境界線。 夕立のカーテン、いつかなくなる? 雨が止むのをただ待ち続けて。今か今かと雨を伺う、ぼくらはいつまで経っても動けないまま。 俯いた。俯いてみたら、なんとなく、下を見たら、ボロボロの傘が落ちていた。 拾い上げてきみに向かって投げた。 やりみたいに飛んでった、傘はきみの足元へ転が
「ダメですよ、おじいさん!」 「ちょっと孫やひ孫に会いに行くくらいええじゃろ」 「みなさん自粛してるんですから、私たちも自粛ですよ!」 「お墓参り行けない分もちゃんとお線香あげたかい?」 「うん、パパ! ご先祖さまもジシュクなの?」 「そうだな、ご先祖さまも今年は自粛だったりしてな」
涼太くんの言葉を聞いた時、 外の雨の音が大きくなった気がした。 私はわざと聴こえていないふりをして ヘラヘラしながら聞き返す。 「いま、なんていったの」 「来月から転勤になった」 相変わらずキラキラ笑う涼太くんが 切なくて悲しい。 涼太くんは私の目線に気づいてないフリをして 私が敷き直した布団の上に寝直した。 「転勤、て…。どこなの」 こういう質問って、もしかして 彼女とかしかしちゃいけないのかな。 ふと、そう思ってから でも私って聞く権利あるんじゃないかな
歩く、歩く、歩く。 あてもなく、目的もなく、ただただ前へ進むだけ。 何かがしたい訳でも、逃げ出したい訳でもなんでもないけれど、なんとなく、ただなんとなく、前に進んだ方が良い気がして、だから、理由もなく歩く。 上を向いたりする訳じゃないから、空の鳥にも気づかないし、夕焼けに架かる虹にだって気づけやしない。 下を向いて歩いているから、影を追う自分の足が見えるだけ。 左右に抜き差ししてるだけ。 足が靴擦れを起こして、すごく痛いような気もするし、全くの勘違いなような気もしてる。
ちょっと切なさを含んでいて 何だか懐かしさがあって おしゃれな感じがする 寂しさがあるけど、病むような重さはなく どこか爽やかですらある。 そんな感じに「エモい」を捉えていた私。 先日のラジオでぶんけいさんはこう語った。 「エモい」って「言葉に出来ない」ということだと思う。「言語化できない」っていうことだと。 「語彙力がなくなった瞬間をエモいと言う。」 とも表現していて、 その考察にエモさを感じたのです。 “エモいは人それぞれ” なるほど、 それなら私のこの瞬間
「ドラゴンボールかよ」その噂を聞いた時、俺はツッコまずにはいられなかった。七不思議を全て知ってしまうと不幸になる、というのが定番である。しかしこの大学の七不思議では、なんと願いが叶ってしまうらしい。でも七つってちょっと多い。暇を持て余している大学生とはいえ、七つ全部を探そうとする奴はいない。この男を除いては。 その噂を知った太津朗は、深夜の学校に忍び込んで調査するようになった。一人じゃ怖いから、というなんともストレートな理由で、いつも俺を連れて行く。彼とは付き合いも長いし、俺
本日のテーマは「リモコン」「天ぷら」「凡庸」と、頂いたものを使わせていただきました。 さらにもうひとつテーマがあります。 また今回はエンディングが2パターンあります。そういう趣向ではなくどっちにするか迷ったからです。そちらは有料…にしてみようかとも思ったけど別サイトにて掲載しておりますので、気になる方はどうぞ。↓ (https://estar.jp/novels/25800358) 気がつくとテレビをつけっぱなしにして寝てしまっていた。だめだ。電気代がもったい
<1/5 2/5 3/5 4/5 5/5> 4/5 ヴァーミンがそちらにライトを向け、足音を忍ばせて中に入った。 バスタブのシャワーカーテンに血が跳ねている。意を決してそれを手で開くと……残忍極まる血盟会幹部ですら、顔を背けずにはいられなかった。 「ああ……! クソッ」 あとに続いたナニーは恐る恐るそちらを覗き込み、ヒッと息を飲んだ。手で口を押さえてとっさに視線をそらすと、その先にある洗面台の鏡が目に入った。 彼女は悲鳴をこらえながらそれを指差した。 「鏡に
真紀子の場合真紀子は空気を読む人間だった。 だから真紀子はSNSに愚痴を書きこんで、送信するボタンを押すときに、「もし、誰かがこれをみて誤解されて受け取ったらどうしよう」と思い、周りの空気にきをつかって下書きボタンに内容を保存したまま、何も発信できずにいた。 ある日真紀子は、犬の散歩がてらたまたま訪れた公園で満開の桜を見た。 彼女はその桜の木を撮影して、今度こそInstagramに投稿しようとしたが、投稿ボタンを押す勇気が出ずにあった。 今日は平日なのだ。 世の中の人が汗をか