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【ロジカルバスケ】「日本3位の学力を有する国立大学が推薦強豪私立を倒し40年ぶりの成績を残せた」「就活黒星なし!総合商社、キー局、外コン、大手SIerの内定を獲得できた」

強豪私立校の監督に「阪大は賢くて無理しないバスケするね」と言わせたロジカルバスケについて紹介します!

中学生で50m10秒台、バスケ部なのに3/10の成績を残すほど運動神経の悪い僕が、頭を使うことで大学バスケで2部(主力は高校時代全国でプレーしている人ばかり)でレギュラーとしてプレーできたロジカルバスケを紹介します。これを応用することで、バスケだけでなく人生に活きるスキルを身に着けることができ、下記の結果を残すことができました。

「日本3位の学力の国立大学が推薦強豪私立を倒し40年ぶりの成績を残してメディア取材を受けた」
「就活黒星なし!総合商社、キー局、外コン、大手SIerの内定を獲得できた」

ちなみに、僕の大学と推薦強豪私立との比較は以下の通り。

日本3位の学力の国立大学:全国レベルの選手を推薦で集めた強豪校
スタートの平均身長180cm:平均身長187cm前後
最高伸長185cm:最高身長197cm
週4回の練習:専用の体育館を有する
すべてを学生一人で行う:有名選手だった監督、トレーナー、コーチがいる

「昔のいわゆる体育会」と「現代の体育会」の違い


このギャップで会社の上司(昔の体育会で育った)に体育会ハラスメントをめちゃくちゃ受けましたww ざっくり言うと、、

昔の体育会:中央集権型
現代の体育会:自律分散型

昔の体育会はめちゃくちゃしんどい練習を耐え抜いて試合中も監督のいいなりになる、軍隊のようなものだったとよく耳にする。一方、現代の体育会は、各選手が各場面に合わせていかに最良の意思決定を行ことができるかが重視されている。

前者のような体制では、実際にコート上で動くのは選手なのにコート外の監督に脳がある。故に柔軟な判断を行うことができず、最良の意思決定はできない。また、ただ身体能力が高い選手のみが活躍できることになる。

後者の体制では、実際にコート上で動く選手がその状況に合わせた意思決定をできるため最良の判断ができる。また、身体能力に依存せず各選手の個性を生かすこともできる。

ビジネスでもよく言われるが、スポーツ業界でも「個の時代」が来ている?

「ロジカルバスケ」とは?


前項でお話した体育会の変化、「個の時代」の到来に伴い、登場するのが本題のロジカルバスケです。(完璧に造語です)

それではロジカルバスケの説明に入ります。1on1で考えるとバスケットボールとは、

前後左右の駆け引きで正しい判断をするスポーツ

と考えられます。

例えば、前後の駆け引きだと、相手が離してきた時に「シュートを打つ」という選択を正しくできるか、相手が厳しくついてきたときに「ドリブルorパスランで抜き去る」という選択を正しくできるか。左右の駆け引きだと、相手が左にいるときは右にドライブできるか。その逆もそうです。

もちろん、身体能力やシュート力、ハンドリングなどでオプション的に選択の幅が広がることはあります。例えば、めちゃくちゃ足の速い人がいたら、ディフェンスが左にいても左から抜き去ることはできますし、めちゃくちゃシュートがうまかったらディフェンスがタイトに来てもシュートを決めることはできます。しかし、これは最良の選択ではなく、自分より上の選手と当たると一気に通用しなくなります。従って、それらのオプションを取り払って考えると、

最良の意思決定をしようと考えることで、次のプレーを一意に決めることができるのです。

これは、1on1に限らずオフボールの動きでもチームプレーでも成り立つことです。それでは、この思考法を高める方法を紹介します。

思考力を高める2つの方法


1つ目はこちら。

なんとなくでプレーしない。常になぜそうしたのか、WHYを問う。

バスケをしているときに常に自分の判断に責任を持って、なんでそうするのか、なんでそうしたのか、思考を深めることです。「なんとなく右利きだから右ドライブ」、「シュートが苦手で打ちたくないからドライブ」など、なんとなくでプレーしていると成長率は著しく低いです。スポーツを楽しくしたい!ってだけならこれでいいのかもしれないですが、少なくとも部活などで上を目指している人はまじでWHYにこだわったほうがいいです。すると、止められたとしても、「あ!相手がこう来たときはこうしたらいいのか」と、学ぶことができ、

その具体的なシチュエーションを抽象化して汎用的な意思決定材料を抽出することでPDCAを回すことができる!

ようになります。ここまでいけば成長が楽しくてたまらなくなると思います。

2つ目はこちら。

MECEになるようにプレーの意思決定の選択肢の幅を網羅的に増やす。

MECEとはMutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略で「漏れなく、だぶりなく」という意味です。例えば、自分とディフェンスの距離で考えると、「離されているとシュートを打つ、中途半端だとシュートやドリブルのフェイクをして様子を見る、タイトだとドリブルやパスランで突破する」という3つの選択肢があると「漏れなく、ダブりなく」が実現されます。これが、「シュートが下手で離されていてもシュートが打てない」となると、MECEでなくなり最良の意思決定ができなくなります。

このようにして、プレーの幅を網羅的に増やすことで、必要な練習のみを行い時間効率を高めることができます。(ちなみに僕の大学は週4回、1回3時間しか練習できなかったため常に時間効率を考えさせられました。)

実際に僕が練習した方法(オフェンス編)

それでは、運動神経のくそ悪い僕が、頭を使ってバスケを上達させた方法を紹介しましょう。これは後々、監督になった時に作成したのですがマジで力作です!これをマスターすれば1on1めちゃくちゃ上手くなります。

要は上で説明していた2点。WHYとMECEを徹底することです。具体例としてわかりやすい1on1を載せました。このロジックツリーを状況に合わせて網羅的に幅を保ちながら深くしていくことができれば、止められても次の選択をすることができる、ということです。

これはチームプレーでも同様のことが言えます。例えば、スクリーンではディフェンスがどう守ってくるのか、ファイトオーバーなのか、スイッチなのか、ダブルチームなのか、アイスなのかショウディフェンスなのか。どの守り方をしてきたときに、どう判断するべきなのか。頭の中で整理できているかどうかが大事です。

ディフェンスの動きに対してMECEに判断基準をもつこと

実際に僕が練習した方法(ディフェンス編)

では、ディフェンスはどう考えるべきでしょうか?相手の選択肢を潰し、ある動きへ誘導してそれを先読みして守る。そうすれば自然とミスを誘発させることができます。間違っても後出しにならないことです。オフェンスに主導権を握られては、よっぽど運動神経が高くない限りは勝てません。

相手の選択肢を潰してディフェンスが主導権を握り、誘導・先読みをする

具体例を示すと、一番わかりやすいのはディレクションです。例えば相手が右利きなら左手でドリブルをつくようにディレクションをかけて、自分の左手を前方下(オフェンスの右側)に延ばしてみます。すると、オフェンスは嫌でも左に行くしかないですよね。それを頭の中でわかっていれば、オフェンスの動きを見てから足を出すよりはるかに早く動き出すことができます。仮に無理に右に行こうとしても、普段通りの精度で行うのは難しいので対応可能です。

監督としての指導


始めに簡単に僕が監督をすることになった背景、その際に意識したことについてお話します。

僕の大学は強豪校でもなく私立でもないので、監督を外部から雇うほどのお金もなく、OBの大学院生が監督兼コーチを行うのが主流でした。練習メニューもチーム構成も試合中の采配もすべてを担うことになります。例えばめちゃくちゃバスケの上手いスーパーエースならば、それだけで選手は付いてくると思います。しかし、僕は前述の通り運動神経も悪いので取り上げてバスケもうまくはありませんでした。なので、選手に練習や指示の意図をしっかり伝えて何を聞かれても理由を答えられるようにしました。その勉強量はまじでえぐいです。

限られた時間で選手に効率の良い指導をするためには、監督がはるかに多くの情報をインプットして、それを自分の頭の中でフィルタリングして選手に必要な情報のみ抽出してわかりやすくしてアウトプットする。

そうすることで、選手からの信頼を得ることができたと思っています。

前置きが長くなったところで、僕が特別実践した指導方法は以下の6つ。(バスケに特化した具体的な指導方法は興味があったらコメントくれると教えます。ここではあくまでロジカルにフォーカスしています)

①思考を広げる・深くする反復練習
②座学を行う
③毎練習後、選手だけでフィードバック。次の練習始めに復習
④練習メニュー・指示に意図を添える
⑤理解できたか、しつこく問い詰めて全員が理解してから始める
⑥個人面談を行い、個人に合わせたモチベーションを考える

2年間で作成した資料はこんな感じ。(フォルダの中にまだまだありますw)

①思考を広げる・深くする反復練習
これは前述してきた内容を習得するためです。頭で理解できたら体で覚える必要があります。そのためには以下の4Step!

1.まずは頭で理解する
2.ドリルで体に覚えさせる
3.大げさなダミーディフェンスを付けて判断基準とリンクさせる
4.フリーのディフェンスに対して、正しく判断して体を動かす。

例えばボールをもらった時の判断。ディフェンスの付き方に応じて考える。

1.「離されてたらシュート」「タイトに右からつかれたら左へドライブ」「タイトに左からつかれたら右へドライブ」
2.ハイポ付近でパスをもらって3つの動きを体に覚えさせる
  ※この時、それぞれの制度を上げる。もらってからシュートモーショ ンへの速さ、ドライブ時の一歩目の踏み出しなど
3.ゴール下にボールを持ったディフェンス、ハイポストにオフェンスでスタートして、パスと同時にディフェンスが詰める。あらかじめ上で決めた3つのどれかを決めておく
4.3のディフェンスが何をやるかは決めない。ディフェンスを見て判断

②座学を行う
座学の目的は、「選手の理解を高める」「チームで1つの方向を向くようにすること」です。ただでさえ練習時間が少ないのに座学?と思われるかもしれませんが、理解のないままだらだら効率の悪い練習をするほうがよりよくないです。もちろん時間効率を上げるために事前の資料の共有は行い、要点だけを話すようにはしていました。

③毎練習後、選手だけでフィードバック。次の練習始めに復習
PDCAを回すためにこれは必須です。その日の練習でよくなかった点・良かった点をまとめてグループLINEにあげて共有し、次回の練習頭に名指しで問題形式で発表させました。もし無理だったらその日の乱メニューを追加するようにして、外発的動機づけですが徹底するようにしました。

④練習メニュー・指示に意図を添える
ここまで話してきたら当たり前ですね。なんでこの練習をするのか?なんで選手交代するのか、なんでディフェンスをオールで当たるのか、なんでこのタイミングでこのセットプレーを使うのか、それを明確に説明することで選手の理解が深まり、その場に応じた判断能力を養うことができます。
例えば、スリーメン。これをただのランメニューとしてやっていると、いざ3線速攻になった時に恐らくスペースを広く使わず狭い攻め方になるでしょう。なぜ3人が広がって走るのか?どういうディフェンスの守り方だとその走り方をするのか?それを明確に理解したうえで練習するのとでは成長幅は著しく異なります。ドリブルやステップのドリルもそうです。ユーロステップなどは、かっこいいからやる人はめちゃくちゃ多いです。実際はディフェンスがコースに入ってきたから敢えてそっちに一歩見せてディフェンスを反応させて逆にふるのがユーロステップです。むやみやたらに行ってはオフェンスがバランスを崩すだけです。それを意識してユーロステップのドリルを行うのか、ただあの足の運び方だけを覚えて行うのか、実戦で使えるようになる時間は全然違いますよね。

⑤理解できたか、しつこく問い詰めて全員が理解してから始める
中には何となく理解したままの人は必ずいます。曖昧そうだったらなんでそうしたのか?問い詰めることで考える習慣をつけさせます。

⑥個人面談を行い、個人に合わせたモチベーションを考える
私の部活は40人程度の部活でした。ゆえに試合に出ている選手、出れそうな選手は勝手に頑張ってくれますが、そうでない選手はやはりモチベーションの方向性が異なってしまいます。そのままではチーム全体としてのまとまりがなくなり、一丸となって目標に向かうことができなくなります。
そこで、個人面談を行って、それぞれに合わせたモチベーションを一緒に考えました。主力の選手は簡単ですが、そうでない選手はどうしても上を目指そうという気持ちが薄れてしまいます。「彼だからこその強みをもっと伸ばすことでチームに貢献できるんだよ」と伝えたり、Bチームの責任あるポジションを作成したりすることでモチベーションづくりを行い、チーム一丸となることができました。

指導の結果

以上の指導と選手の頑張りのおかげで、

日本3位の学力の国立大学:全国レベルの選手を推薦で集めた強豪校
スタートの平均身長180cm:平均身長187cm前後
最高伸長185cm:最高身長197cm
週4回の練習:専用の体育館を有する
すべてを学生一人で行う:有名選手だった監督、トレーナー、コーチがいる

という環境の違いがあっても勝つことができました。本当に楽しくて充実した2年間でした。僕を監督に選んでくれた選手には感謝です。ありがとう。

就職活動への応用


このようにして部活動を通して学んだWHY・MECEを徹底してPDCAをぐるぐる回す癖をつけて、選手に対してわかりやすく伝える練習をしていると自然にロジカルシンキングは身につきます。

就職活動の具体的な対策法については別記事で紹介します。ただ、僕が伝えたいのは、

「学生時代の部活をクソ本気で取り組めば、絶対に将来につながる」
「環境のせいにしないでくそ頑張れば、その先に何か見えるものはある」

ということです。また、そうやってくそ頑張れる人間が社会人になって頑張る先がなくなって路頭に迷うことはよくあります、特に大手に入ると出る杭は打たれ忖度できる人間が評価されます(僕もその一人で鬱になりました、今はまた頑張りたいものが見つかってくそ楽しいです)。実直に頑張れる人間が損しない世の中になるよう、何か力になりたいと日々模索中です。

長々と呼んでいただきありがとうございました。




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