佐伯香潔

広島で前衛書道・書道をしています。 日々の制作活動や書道への思い、展覧会情報などを書い…

佐伯香潔

広島で前衛書道・書道をしています。 日々の制作活動や書道への思い、展覧会情報などを書いていきたいと思います。 また、自身の作品についての解説の「独り言ギャラリートーク」をマガジンで発信中。

マガジン

  • 独り言ギャラリートーク

    自分の前衛書道の作品について、この場をお借りしてギャラリートークしています。少しでも前衛書道に興味を持っていただければ嬉しいです。

最近の記事

狂(くるう)

インパクトのある感じに惹かれ、 強い意味がある、攻撃的に感じる言葉を選んでしまう。 この度も、例に漏れず、公募展の作品制作をしながら、思い浮かんだのが、この「狂」です。 のたうち回るように暴れ狂う様にするか 静かな狂気を表すか 草食をアレンジして、静かな中にある激しさを表現してみました

    • 水の底から空を見たときどんな感じなのか…

      私は前衛書道の作品創作の時に、“水”をイメージして制作することよくあります。 水から派生して、川の流れ、海の広さ… 海は、静けさや荒々しさなど表現の幅が広がるテーマになりますし、川も森林や土などのイメージにつながって、これまた想像が広がっていくテーマでもあります。 子どものころ、海やプールに行ったとき、必ずと言っていいほど、潜って上空を見上げていました。 このまま沈んだらどうしようと思う反面、だんだんと空が暗くなって、太陽の光がどんどんぼやけていく様子をずーっとみて…

      • 生きる

        ただただ、『生きる』って書きたくなりました。 黒い鳥の子紙にメタリックゴールドの墨で。 一息に。 書き上げたとき、なんとも言えない達成感を覚えました。

        • 逢う

          人に会うことがこんなに大変になる日が来るなんて思ってもみなかった。 毎日仕事や書道のことで出かけて、たまには遠くにも出かけて忙しい忙しいと出ては人に会って、人に会っていろいろ話して、めんどくさくなって独りになりたいなとか思って。 でも、コロナがやってきて、急にこれまで普通に流れていたルーティン化していた事柄が、パタッと止まってしまった。 ステイホーム。家にいろということね。でも幸い、私には書道がある。 外に遊びに出てはいけないのなら、もう引きこもって臨書や練習をたくさ

        狂(くるう)

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        • 独り言ギャラリートーク
          10本

        記事

          きれいな作品を作りたい。。。 私の幼少期。お習字の競書大会で賞をいただくことがあり、その時の講評は「大胆な、元気がいい、思い切りがいい、勢いがある」というそういったお言葉をいただくことが多かったです。 いざ、大人になってまた書道を初めてできた作品に対しても「大胆な」という講評を多々いただきました。 「あれ、どこかで聞いたことがある。またかーーー」と、人の性質は変わらないのですね。【書は人なり】とはこのことかと。 結局は、自分の性格や精神状態がそのまま出るのだと確信しま

          爆ぜる(はぜる)

          怒りでもなく、悲しみでもなく、苦しいような、重い感情がうずまいていた時期がありました。 私は「元気いっぱい!頑張るぞ!」で、しばらく作品制作をしていましたが、そんな沈んだ暗い気分の時に、いつものようにはできませんでした。 重たい、暗い感情を昇華するわけでもなく、そのまま何かしらの表現につなげてやろう、というような考えもなく。 いざ、作品制作で紙と対峙したときに、 ザクロの実がパーンと弾ける。 女、血、子宮。 おどろおどろしい。怖い。 こういったイメージが浮かびま

          爆ぜる(はぜる)

          7歳から書道をはじめて高校卒業で一度書道から離れていました。 とある展覧会で、昔習っていた書道の先生の娘さん(この方も書道の先生)に偶然再会!「来週、書道の集まりがあるから遊びにおいで!」と声をかけられて、軽い気持ちで参加したところ、「やっぱり書道やりたい!」という気持ちになりました。 そんなこんなで、また書道を始めることに。。。 文字を書くことはもともと好きなので、筆ペンはよく使っていたのですが、やっぱり我流になっていたなと気づきました。 まずは、先生について、臨書

          Absolute Beginners

          2018年、広島県内で大規模な土砂災害がありました。 私の生まれ育った町でも大きな被害が生じ、TVで流れる映像に、大変な衝撃を受けました。 道路が遮断され、JRが不通になり、日々の生活をいつ取り戻せるのかなと、暗い気持ちになっていました。でも、少しずつ回復していく姿をみて、濃い霧が晴れ、明るい光が差し込んできて明るい未来が開けるイメージとともに、デビッドボウイのAbsolute Beginnersのイントロが頭の中に流れてきました。 このイメージを表現してみたくなり、制

          Absolute Beginners

          叫ぶ

          こちらの作品は、文字性(可読性)のある作品です。(これでもです…) 公募展の作品制作のための練成会で、体育館を借りて書のグループのみなさんと朝から書いていました。 ひとつのテーマで書いていたところ、思ったようにいかないなと思っていたら、師匠が「だんだん作品に元気がなくなってきたね、飽きたんじゃろ。いろんなのを書いてみたら」とアドバイス。 「え!私、飽きたんだ。」と気づきます。でも朝から頑張ってこの作品を書いてきたのに、今更他のを考えるなんてできない!どうしよう!!!

          前衛書道の鑑賞について~独り言ギャラリートーク~

          前衛書道や墨象作品について、よく「なんて書いてあるのかわからない」「読めない」「鑑賞の仕方がわからない」という声を耳にします。 そこで、「読まなくていいんです。そもそも文字は書いていません。」とか「感じてもらえればいいですよ」と、ご案内します。 でも、みんな、もやもやっとされているように感じます。わたしも、なんて声をかければみなさんに納得、すっきりしていただけるか、と考えることもしばしば。 私の場合、まったく文字性のない作品なら「○○な気持ちで書きました。」とか、「○○

          前衛書道の鑑賞について~独り言ギャラリートーク~

          自分の考えをまとめる作業

          これまで走り続けてきて、自分のことについて考える作業をしていなかった。 コロナになって強制的に時間ができ、立ち止まり、一息つくことができた。 考えるきっかけができた。 さてこれからどうするか。 考えや思いをまとめるために、notoを使ってみることにした。

          自分の考えをまとめる作業