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爆ぜる(はぜる)

怒りでもなく、悲しみでもなく、苦しいような、重い感情がうずまいていた時期がありました。

私は「元気いっぱい!頑張るぞ!」で、しばらく作品制作をしていましたが、そんな沈んだ暗い気分の時に、いつものようにはできませんでした。

重たい、暗い感情を昇華するわけでもなく、そのまま何かしらの表現につなげてやろう、というような考えもなく。

いざ、作品制作で紙と対峙したときに、

ザクロの実がパーンと弾ける。

女、血、子宮。

おどろおどろしい。怖い。

こういったイメージが浮かびました。

吹き出す、湧き出す、弾けるように筆を紙の下方から上方へ、ただただ運んでいったように記憶しています。

タイトルは、【爆(は)ぜる】としたのは、自然な流れでした。

展覧会でこの作品を見て、

 爆発の「爆」の形にもみえるきがする

 骨盤みたいだね

 キラキラした噴水みたい

と、お声がけをいただきました。

私のドロドロした感情とは関係なく、自由に楽しんでいただいたことが何より嬉しかったと、この作品を見るたびに思い出します。