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想
きれいな作品を作りたい。。。
私の幼少期。お習字の競書大会で賞をいただくことがあり、その時の講評は「大胆な、元気がいい、思い切りがいい、勢いがある」というそういったお言葉をいただくことが多かったです。
いざ、大人になってまた書道を初めてできた作品に対しても「大胆な」という講評を多々いただきました。
「あれ、どこかで聞いたことがある。またかーーー」と、人の性質は変わらないのですね。【書は人なり】とはこのことかと。
結局は、自分の性格や精神状態がそのまま出るのだと確信しました。
今、前衛書道のグループに所属しているので、諸先輩方の作品を見る機会も多く、なんて私のはガチャガチャして落ち着きがないんだ、きれいな作品が書きたいな、と、人の作品を見るたびにがっかりしていました。
そのことを書の先生に話したら、「若いうちは若いうちにしかできない作品がある、今はそれでいいんじゃないの」と。金言をいただきました。
ですが、その時の私には“きれいで” “爽やかな”、“静かな” 表現がしたい!という思いが強く、今年の公募展は、きれいな作品を書くと決めて制作に取り掛かりました。
きれいな作品ってどんなの?細い線?やわらかい線?どんな色?
そこで、すぐに思い浮かんだのが、青墨(せいぼく)でした。
青墨のにじみを生かして取り組もうと、墨、水の分量、滲みやすい紙など、試行錯誤して、しばらく制作をしてできたものがこちらの作品です。
きれいで、静かな作品ではない…結構主張してるなというのが、本人の感想です。
実は、最初に全体に「想」という文字を、薄い墨色で書きました。それで作品完成としようと思っていました。
でも、なんか物足りないなーと欲が出て、メタリックゴールドで上から書き足しました。書き足すのはとっても勇気がいるんです。何かを加えることで邪魔なる可能性も大で、最初の何にもないほうがかえって良かったということにもなりかねません。
こちらの作品も、ちょっと現代アートっぽくしてみたいなという欲で、線を引いてみたというのが本当のところでした。
きれいな作品への道はまだ遠い。。。