読書感想文【人生の短さについて】セネカ著
こんにちはコウカワシンです。
今回は、セネカの著書【人生の短さについて】から学ばせていただきます。
本書は「有意義な人生を送るために知っておくべきこと」を教えてくれる本です。
セネカという人
セネカ(ルキウス・アンナエウス・セネカ)は、二千年前の古代ローマ帝国を生きた思想家、詩人・劇作家です。
ストア派(ストイックの語源になった)の哲学者でもあり、暴君としても有名な皇帝ネロの教育係でもありました。
しかも政治家として皇帝ネロを支えていましたが、最期はネロに自死を命じられるという波乱万丈な生涯を送りました。
数多くの書籍やエッセイを残し、本書【人生の短さについて】では、「時間の大切さ」というテーマをクローズアップしています。
それはつまり、「人生において大事なのは自分に残された時間」ということです。
その時間を意識して過ごすことこそ人生を充実させるということなのです。
なぜ時間が大事なのか?
よく「人生は短い」と多くの人は嘆きます。でもそれは、「その人が短くしているからだ」とセネカは説きます。
その理由を3つほどあげてみたいと思います。
時間は有限だから
誰もが自分のために時間を使っていないから
やりたいことを先延ばしにすることがナンセンスだから
誰にとっても時間は有限です。それなのに誰もが無駄なことに時間を使っているとセネカは嘆きます。
つまり、誰もが自分のために時間を使っていないということです。
たとえば、毎日忙しくバタバタと仕事しているのは何のためでしょうか?
何もすることがないとしてもただボーッと時間を過ごすのは自分がやりたいことでしょうか?
「お金のため」「人に頼まれて」「ただ何となく」というふうに過ぎゆく時間を流すのは、決して自分のために時間を使っていないということです。
そんな無意味なことにかまけていると、人生なんてあっという間に過ぎ去っていきます。
「やりたいことはあるけど、今は忙しくてできない。だから老後の楽しみにとっておく」という考えの人もいることでしょう。
でも、老後にそれをできるという保証はあるのでしょうか?
そうです。誰も未来のことなんかわかりません。ですので、直ちに今、自分自身と向き合い、できることから時間管理をするべきなのです。
自分のために時間を使うには何が必要か?
自分のために時間を使うためのポイントは次のとおりです。
自分や相手(他人)の時間を尊重する意識
多忙にならないようにする
読書(学び)
自分の時間を大事にするのと同時に、自分に関わる相手(他人)の時間も尊重しなくてはいけません。
たとえば、お金の貸し借りには厳しいのに「ちょっと時間ある?」とか「飲みに行こうよ」と誘われたら、すんなり応じてしまうことはないでしょうか?
何の用事で時間を取られるのか、飲みに行くことが自分にとって有意義な時間なのかを図らずに応じてしまうのが古今東西変わらぬ人間の「時間軽視」の現状なのです。
これは決して人付き合いを軽視しろと言っているのではなく、自分の時間を大事にする意識を持つことと同時に、他人の時間も尊重するという意識を持つべきだということです。
そして、自分自身が多忙になってはいけません。
忙しいという字は「心をなくす」と書きます。心をなくした状態では充実した時間を過ごしているとはいえません。
自分が求めた時間を自分らしく楽しく過ごし、それがはた目から見て「忙しそう」に見えたとしても、それは自分自身の時間を過ごしているといえるのです。
そのためには学びましょう。セネカは時間の過ごし方を先人の残した書物から学ぶことをすすめています。
本から意味あることを学ぶという姿勢が自分自身が充実した時間を過ごすためのヒントを与えてくれることでしょう。
どうすれば時間を有効に使うことができるか?
どうすれば時間を有効に使うことができるかというと次のようなことが考えられると思います。
無駄なことに時間を使わない
やりたいことを先延ばししない
先人から学び意味があることをする
こうして見ると、すごく当たり前なことばかりですが、案外多くの人はできていません。
たとえば、時間があれば目的もなしにただダラダラとテレビを見たり、人間関係が大事と言っては行きたくもない飲み会に参加し二次会三次会へとつき合わされ翌日の体調が最悪ということはないでしょうか。
たしかに全部が全部無駄なことではないかもしれませんが、それでは自分に残された時間を有意義に過ごしているとは言えないと私は感じます。
そして、やりたいことがあるのに「それは時間の余裕ができてからやる」と先延ばしすることも多いでしょう。
その時間の余裕はいつ訪れるのでしょうか?
こう言っては身も蓋もありませんが、人間いつ死ぬかわかりません。そして今が人生で一番若い日です。
なんとか時間のやりくりをし、できれば多忙な毎日を回避する努力や工夫をするべきでしょう。
自分ではどうすればわからないというなら、先人の知恵を借りましょう。
古典などの書物からは、そういったヒントをたくさんもらうことができます。
このように「未来に頼らず、現在を逃さず、過去に向き合う」ことが、時間を有効に使うために必要な姿勢だと感じます。
「人生は短い」と嘆くのもいいですが、いま一度「自分の人生」をどのように生きていくべきか考えてみることが大切ですね。
そういった意味で本書は、一石を投じてくれる一冊です。
一度試しに読んでみるのはいかがでしょうか。
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