お堅いクラシック
クラシック音楽というあのなんだか頑固でとことん人工的な代物が割と好きなので、その話をしようと思います。
クラシックの大きな特徴として挙げられるのは二つありますが、まず一つはポピュラーなJPOPなどでいうところの「サビ」に行くまでの過程をもったいぶっているところでしょう。
クラシック(特に交響曲)においてはほとんどの場合メインのメロディーが流れるまで数分かかります。その間はサビに入るのかと思わせるような盛り上がりやフェイントを駆使して観客の期待を煽ることに徹しているように感じることがおおいです。
二つ目の特徴は、クラシックでは音量やリズムが一定でないというところです。協奏曲ではあまり見られませんが、殊に交響曲において音の大小とテンポの速さは、聞き手に対して重要な印象を自然に植え付ける役割を果たすことに一役買っています。
時々電車の中でクラシックを聴いていると、急に曲が止まったと感じる瞬間がある。慌てて音量を上げた途端、急にまたメロディーが復活してきてびっくりして鼓膜が破れた経験は、誰しもが持ってると思います。嘘です。
またあるときクラシックを聴いていると、急に曲がスローテンポになります。ここで終わりかと思いイヤホンを外しかけた次の瞬間にフルテンポでメロディーが復活する。なんて抑揚が激しいんだと思うこんな経験は、あってほしいです。
けっこうあべこべな特徴に見えますが、これをコンサートホールで聴いてみると、舞台から音が膨らみ、会場を包み込みながらだんだんと期待が高まっていく不思議な感覚にとりつかれます。JPOPを聴いている時にはこんなことは起こらないので奇妙な違和感だけがいつも残ってすっきりしないのですが、この正体は何なのでしょうか。
私にはどうも、鑑賞するかBGMとして扱うかの違いのような気がします。
つまりメインかサブかによってとらえ方ががらりと変わるということです。
音楽が教会やコンサートホールで聴く観賞用からイヤホンを使って移動中に聴くBGMへと変化したことにより、ポピュラーソングに求められるものはメインからサブへとそのポジションを変更させられました。
その波の煽りをもろに食らってしまったのがクラシックだとおもいます。
読んでくれてありがとうございました。
またどこかで。
日々是口実
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