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アスレティックトレーナーとは?PART.2

PART.2 アスレティックトレーナーの実際の仕事(私の場合)ここからは、私の実際のチームでの業務を紹介します。


1. 障害予防

まずは、選手の怪我の予防です。もちろん、怪我などが起こってしまった場合に適切に対処して、復帰までサポートするのもATの重要な仕事ですが、怪我が起きないことが一番です。多くの選手がプレーできる状態でいることでチームの勝利にもつながります。

障害予防の対策は、ロードマネージメントやコレクティブエクササイズなど様々な方法を組み合わせています。障害予防に関しては、今後のnoteでより詳しく解説していきたいと考えています。実際に、現場で行っていてかなり手応えのあるものが多いので、楽しみにしていてください。

2. 検査、評価、診断、応急・救急処置

傷病が発生した際に適切な対処をすることもATの重要な役割です。予防についてより深く話したかったので2番目にしてしまいましたが、本来はこの役割がATの一番大切な仕事です。足首の捻挫などの対応はもちろんですが、それ以上に選手の命を守るという役割が特に重要です。
アメリカのAT業界では“Athletic trainers save lives” というフレーズがよく使われます。これは、「アスレティックトレーナーは命を救う。」という意味です。

スポーツ現場では稀に心停止など命の危険に遭遇することがあります。ATはそのような場面で適切に対処できるように訓練されているのです。実際にアメリカでは年に2-3回ほどATが命を救ったというニュースを目にします。日本でも適切にAEDや心肺蘇生が行われ、選手の命が守られた事例はたくさんあります。

3. 選手の治療

怪我をしてしまった選手の治療やリハビリもATの仕事の一つです。小さな怪我の時はチーム内で解決することもありますが、医師の診察や検査が必要と判断した場合は病院での診察や治療(場合によっては手術)に付き添います。病院の先生方と協力しながら、選手のリハビリも行います。
 
また、怪我をしていない選手にもケアを施すことがあります。日々のケアでは、選手の体の不調がある部位を中心に治療を行います。このケアでは怪我の治療というよりも疲労回復や慢性障害の予防が目的です。もみほぐしやストレッチなどの施術で体のバランスを整えることで、パフォr―マンスの維持や怪我の予防につながります。

4. コミュニケーション

最後に、選手やコーチ、他のスタッフとのコミュニケーションはATの重要な役割です。例えば、選手の不調の確認や疲労の把握などはATと選手の大切なコミュニケーションです。日常的なスタッフ間でのコミュニケーションは試合に出場できない選手の報告やリハビリの進捗の共有などがあります。日頃から選手や他のスタッフとしっかりと情報共有することで、チームが円滑にまわるようにサポートしています。
 
以上、私のメイン業務を紹介させていただきました。このほかにも多くの業務がありますが、細かい雑務のようなことも多いので、また機会があればお話ししたいと思います。

 一日のスケジュール

試合の日の私のスケジュールをご紹介します。
 
9:00~ 不調がある選手の治療
リハビリ組の治療やトレーニング
12:00 昼食
13:00~ テーピングなど試合へ向けての準備
14:45 相手チームのATとEAPハドル(緊急対応の確認)
15:00~ Tip off
試合中 ドリンクやタオルなどベンチ仕事。怪我の対応。
17:30~ 選手のケア、怪我の治療
19:00~ 片付け
20:30 帰宅
 
以上が基本的な試合日のスケジュールです。
朝から晩までほぼノンストップですが、意外と試合の日は1日が過ぎるのが早く感じます。

まとめ

PART.1から2まで長くなってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。この記事がアスレティックトレーナーという仕事を知ってもらえるきっかけになると嬉しいです。
 
ATの仕事はあまり外部から見えない部分なので、少しずつ具体的なことも紹介していけたらなと思っています。実際に試合中は選手に水やタオルを渡していることがほとんどで、裏ではちゃんと仕事をしています。笑


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