見出し画像

🦊 Black Spider-Man その①

 世界的なヒーローの代表、スパイダーマン
日本でも、その知名度と人気は長い間高いままではないだろうか。

 スパイダーマンの歴史を、かるーく振り返ってみよう。
1962年、『Amazing Fantasy』#15にて初登場。以降熱狂的な支持を集め続けている。
漫画、小説、映画、ドラマ、ゲームなどあらゆるメディアで人々に消費されてきた。
特に今回は映画に注目してみる。

2002年 『スパイダーマン』
2004年 『スパイダーマン2』
2007年 『スパイダーマン3』
 主演トビー・マグワイアでシリーズとして公開された上記の3本。2000年ごろのCG技術によって、実写化が可能となった。このごろ最新映像技術で話題となった『マトリックス』も公開されている(1999)。

2012年 『アメイジング・スパイダーマン』
2014年 『アメイジング・スパイダーマン2』
 主演アンドリュー・ガーフィールドでシリーズとして公開。

2017年 『スパイダーマン:ホームカミング』
2019年 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』
 主演トム・ホランドでシリーズとして公開された2本。現在(2021)出ているスパイダーマン映画で最新のものとなる。トム・ホランドはオーディションで7500人の中から選ばれた。

ここまで実に20年近く、主演は白人である。

 原作コミックでは、スパイダーマンの正体であるピーター・パーカーは白人の少年もしくは青年である。
 原作に忠実に起用してるのだから、何の問題もない事だ。僕自身、スパイダーマンが白人である事に何の疑問も持たなかった。というより、「白人である」ということを意識さえしなかった。

ラッパー、Logicの”Black SpiderMan”を聴くまでは。

 Logic、本名:サー・ロバート  ブライソン・ホール2世は、1990年、アメリカはメリーランド州ロックビルに生を受けた。黒人(アフリカ系アメリカ人)の父と白人の母の間に生まれた、バイレイシャルである彼は、決して穏やかとは言えない幼少期を過ごすこととなる。彼が生まれた時すでに父はおらず、母は酒とクラック(コカイン)中毒であった。純白人である異父姉妹は、彼に流れる黒人の血を嫌い、暴力を振るった。母は、息子をNワード(Nから始まる黒人以外が黒人を卑下する言葉)で呼んだ。家庭に彼の居場所はなかった。

 学校でも、白人でも黒人でもない彼の居場所はなかった。白人のグループからは、黒人の血が流れているからと拒絶された。黒人のグループからは、見た目が黒くないからと、白人扱いされ、拒絶された。自我形成期に精神を破壊されたLogicは、自殺も何度も考えた。

 しかし彼は17歳の頃からラップに打ち込み始める。
そして2017年、”Everybody”で全米ビルボード1位を獲得したのである。

 そして彼は、同年2017年。人種差別や性嗜好差別を糾弾する”Black Spiderman”をリリースするのである。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~その②へ続く

kou


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?