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【再確認】デザインとアート

よくデザインとアートは何が違うのかと問われるのですが、それはググれば出てきます。
そんなことは良いのですが、この2つに分けた場合、私は圧倒的にデザイン思考なんだなぁと思います。
そんな私の仕事の向き合い方や、デザイン思考のメリットデメリットなどを綴りたいと思います。

簡単に言うとデザインはクライアントからのヒヤリング命です。必ず受け身の姿勢から入り、あくまでクライアントに寄せた形で提案します。
アートは能動的。自信が伝えたいこと形にしたいことを行動に起こします。

まず軽く触れたいのは、クライアントからの評価の違いです。
アートはそもそもその表現のファンが購入してくれるので、とても素晴らしいと120点の評価をされます。
しかし、デザインの場合一概には言えないのですが、そもそもクライアントの願いを叶えるので際立った評価を得るのが難しいのです。
100点を取れたところで「そうそう、私が言いたかったのはそうゆうこと。」という評価を得ます。
いや、十分な誉め言葉なんですけどね。
クライアントの理想を飛び越える難しさがありますよね。
素晴らしい才能をもち、努力をして飛び越える実力派デザイナーさんはたくさんいるので、私の力不足なんですけれどね。少し言ってみました。

そう、さっきから私が「デザイン思考」と言っているのは理由があります。
なんか、「デザイナー」と言うと『絵がうまい』『センスがいい』『デザインの知識がある』みたいな印象を持たれてしまうと思うので皆さんが勘違いをしないようにするためです。
私は、どれも持ち合わせていません。元DTPデザイナーというだけで、普通の人です。
デザインの大学を出ましたが、ただそれだけです。
それでも胸を張ってデザイン思考と言えるのはなぜなのか、考えてみました。

私が自社のプロダクトについて考える時の思考を分析した記事は先日アップしましたのでご興味ある方はそちらをご確認ください。

今日はお仏壇など特注のオーダーを受けた際の対応について確認の意味でも再考します。
ちょうど私以外の者でもオーダーを取れるようにフローを作る準備を進めているのでそのためにも。

一番大切なのは最初の打ち合わせです。
聞く点は大きく2つあります。
一つはお客様の「現状」です。
具体的には『お部屋の間取りや配色』『宗派は何か or 宗派にこだわらない』『お寺とのお付き合いがあるかどうか』『リフォームや新築をする前のご注文なのか』など、現状動かせない事象ですね。
これによって使用する木材や寸法、仏壇か否かを検討します。
※ちなみに仏壇か否かとは、ご本尊を置くかどうかというのが基準になります。 ご本尊を備えない場合は一般的に『手元供養台』と呼びます。

そしてもう一つは、お客様が仏壇に求める「理想」です。
一昔前まではお仏壇と言えばコレと決まったものがあったんですよ。
しかし多様性の時代、今は昔と異なります。
本当に求めることは様々です。
例えば「古いお仏壇の一部を使いたい」「本体は無垢のシンプルだけど中は宗派に合った仏具を使いたい」「箱は大きすぎるから板で良い」等々、いろいろです。
ここで思うのが、私はデザイン思考で良かったということ。

私の言うデザイン思考とはお客様からのヒヤリングはもちろん、性格なども私なりに分析し「おそらくこういうことを言いたいのではないか。」「本当はこれが言いたかったのではないか」などの推測まで行う。
何せ、仏壇のことなんて誰も知りません。
相手にとって初めての経験ですし、伝えるのが上手な人ばかりではありません。
期待以上に汲んで汲んで汲みまくる。
それでも足りないことがありますからね。
100点を目指して、そんなお仕事です。
価格も決して安い買い物ではないですからね。
自社製造なのでカタログ商品よりは割安感を感じるとは思っていますが。
それでも大切なやりとりです。
職人が営業やヒヤリングできる希少な会社だと思っています。
これは自画自賛。

辛いと言いましたけど見返りがあるんですよ。
納めた時のお客様の安堵感が伝わるとき。
やって良かったと思えます。
特にこれは自分にしかできない仕事だったと思えるときですね。

デザインは大変だけど楽しいです。
アートは自分と向き合い続ける辛さがあると思いますが、デザインはクライアントの意図を汲み取れているか、期待を超えていけるかという辛さがあります。
超えた時の喜びはたまらないですね。

ちなみに話は変わりますが、私は美術館に行ったりクラフトの作品を見るのが好きです。
特にアートに詳しいわけではないです。
クラフトには職業柄多少の知識はありますが。
何も知らなくてもいいんですよ。
人が作った絵や立体を眺めていると知らない世界を見ることができるので有意義なんですよね。
アートは敷居が高いとか、知識がないから見に行けないみたいなことを思っている人は考えすぎだと思います。
普段自分が見ているものや考えていることから少し抜け出し、違う景色を見に行く感じです。
空を眺めるとなんだか癒されますよね。雲の形が変わっていったり、自分自身を見つめ直すことができたり。
それと同じで、自然が作っているか人が作っているかの違いだと私は思っています。

文字で書くか、筆で描くか、土で作るか、金属で作るか、それだけの違いみたいな。
文字はそれ自体に意味があるので伝わりやすいですが、言い換えれば文字の持つ意味通りに入ってきてしまいます。
絵や立体はそれ自体が言語ではないので、どう受け止めるかは人それぞれ。
それがとても楽しい。
それができている内は豊かだなぁって思います。

人が作っていることが大切。
AIが作ったと知ったとたんに冷めて仕舞います。
人を知りたいですから。
人の表現はきっと残りますよ、すべてAIに食われることは無いと思っています。
学生時代は小さなライブハウスが大好きでした。
ライブハウスって良い言葉ですね。

私はこの記事で何を言いたかったのでしょう。
途中からある程度ヒヤリングのフローがまとまり、自由帳になってしまいました。
こんな蛇足にここまで付き合ってくださった方、本当に感謝です。
もう少し読む人に有意義な記事ができるよう精進いたします。


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