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【再考】真の労働コストを換算する理由

皆さんは仕事をしていて得をしていると感じますか?フラットな感覚ですか?搾取されていると思いますか?
働き方改革という言葉が広まってから長いですが、私は自身の経験を踏まえた上で自社で仕事をしてくれている人達に、そして自分のために労働とはなんぞやと考えています。

労働に関して踏まえるべき要素を挙げます。
a.肉体的負担
b.精神的負担
c.勤務時間
d.職場環境
e.コミュニケーション
これらを元に正しい労働コストについて分析してみます。

まずはそもそもの意味として、仕事をするとは企業に自身の時間を売ることです。
そして企業はその時間を利用し可能な限り有益にする必要があります。
ただし、バブル期とは違い現在はコンプラ社会です。
私の幼い頃はTVcmのコピーで「5時から男」と残業が当たり前でサビ残もNOとは言わせない風潮がありましたが、今は労働者の権利を大切にする時流なので、それでも健全に運営できる会社作りをしなければなりません。
まぁ、それも過度にいきすぎるとお互いに損する結果を招くこともあると思っています。
協力し共存している関係ですので、私はウチのような零細においては企業と従業員はどちらが上でも下でもなく、それぞれのバランスが大切だと思っています。
それはさておき本題に入る前にもう一つ。
『なぜ労働コストを分析する必要があるのか』ということを説明します。

日々の見積もりを計算する際の基準というだけのコストではなく、仕事を続けてもらうために何をするべきかを知るためのヒント=コストです。
仕事は続けてもらって始めて意味を持ちます。
そのためには、単に時間を売るのではなく、個々が決められた時間の中でどのような体験をし、何を消費しているのかをこちら側が認知しなければなりません。
さて、ようやく本題に入ります。

a.肉体的負担→これは最も分かりやすいです。特に疲れるような仕事をしたら休むように促したり、個々の体力に差があるのでそれさえ考慮すればより良い対応が出来るでしょう。

b.精神的負担→これは当社においてはケガのリスクを伴う機械加工、失敗のリスクが高く緊張する作業等です。他にも夏の暑さ冬の寒さなどあります。ストレスがかかる場合はこまめな休憩が必要です。これは従業員さんを思いやるというだけではなく、そもそもパフォーマンスが下がり会社にとってもデメリットなのです。

c.勤務時間→パートアルバイトの方にはできる限り希望の時間帯で仕事をしてもらえるように希望を伝えやすい空気が大切です。社員さんの勤務時間は製造業の中では短い方です。これまで残業は基本無く、有給を取りやすい空気を作ります。結果、その方が集中することが出来、社員さんの納得値も上がると思っています。 ちなみに私は残業が悪いとは思っていません。必要であればお願いすることもいいと思いますが、残業ありきになるといざという時キャパオーバーになり困るのは経営者です。

d.職場環境→これには2つあって、1つは仕事をするスペースとしての環境。設備や道具などですね。これは、意見をもらったり気付けば出来る限り改善していきます。盲点だったことなど本当に多く、コストをかけずに良くなることは多々あります。
もう1つは雰囲気としての環境です。これは難しい。なぜなら個々の感覚に左右されるからです。出来るだけストレスが貯まりにくいように意識しても合う合わないの個人差があります。
ですので、合わない人はこちらが寄り添っても長くは続けられないでしょう。
出来る範囲にはなりますが、キチンと仕事をしながらも、立場や年齢差に関係なく意見を言いやすいフランクな職場が私の理想です。

e.コミュニケーション→これは当たり前のようなことですが閉鎖的な環境にしないための大切な要素です。
まずは『あいさつ』という最も身近で最も手軽でコスパのいいコミュニケーション。何も会話がなくても、これだけでなんとなく互いに安心します。
そしてこのような小さな対話は先に伝えた b.精神的負担や d.職場環境にも大きな影響を与えます。だからといってわざとらしい挨拶の強要はできるだけ避けたい。そもそも言いやすく、壁がないのが理想ですね。つまりは自然に声を出せる雰囲気づくりが大切です。ウチでは飲み会などか無い代わりに時々オンラインゲームで若い子たちと遊んでもらったりしています。

こんなことを意識して気持ちよく働いてもらい、会社の成長に繋げたいと思っています。
そのためには私自身も労働をしていなければ皆の気持ちがわかりません。
職人仕事から経験して良かったと思っています。今も職人として製造をしていますが。
変な話、私は見積もりをする際にここ数年、新しく追加金を設けています。それは例えばリスク代、ストレス代などです。
ケガのリスクや集中力の消費を無視してはいけません。まっとうな値上げです。
単に時間だけでなく、その労働時間にどれ程の負担があったのかを加味しています。
これが出来るように会社の信用価値を守り、それにより生まれた利益を自社と従業員さんに還元できれば互いに納得し、長く運営&勤務出来る職場になるのではないかと思います。

なんだか固い話題になってしまった。
これにて終わります。
ほな!


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