【愛着・AC 克服記録】Part 2 26歳2度目の心療内科 ー 認知行動療法との出会い
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「ながらで克服!」〜愛着障害・アダルトチルドレンを克服した中の人の話〜
#003 「愛着障害の克服」再読~2度目の心療内科 (Part 2 解説)
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(2018.10.14 Twitter より推敲・再掲載)
2-1. 人生初のカウンセリングを受ける
(2017.06 ー 2018.03頃の話)
岡田尊司氏の著書を読み、僕は人生初めてのカウンセリングを受けてみることにした。理由は、この本に "カウンセリングが良い"、みたいなことが書いてあったからだ。
選んだクリニックは、都内に何箇所かあるところだった。そこは医師が複数いて、外来のうつ病治療をメインにしていた。今思えば、愛着障害とか、アダルトチルドレン専門を謳う場所を選ぶべきだったが、当時は知識もないし、金銭的余裕もなかったので、とにかく安いところを選んだ。
(そこの受診料は、医師の診療とカウンセリング (30分) 合わせて5000円位。まぁ手が届く範囲だった。)
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(再掲載に伴い大幅に加筆)
2-2. 当時の自分の理解
① 何を "治したいか"
A. 対人不安症 (自己診断)
・初対面の人と "仲を深める" ことがとても苦手 (自分のような人間と、この人は交流したいなどとは思うまい。)
・対照的に、コンビニの店員、居酒屋の接客に自分がお客として接することには問題ない。(大学時代は、アルバイトの接客業で、"問題なく" 仕事ができた。)
・大勢の人がいる場 (何かの集会、同期の集まり等) に、自分が参加・存在していることへの違和感・不信 (なんなら、自分がこの場から消滅したほうが、物事が進むとすら思っていた)
・対等な人間関係が苦手。同期などもってのほか。1年でもズレてくれた方が、立場が生まれるので楽。上司にしろ、部下にしろ、何にしろ。
B. 自己否定 (自己診断)
・何か、自分の周囲で不都合が生じた時に、まず第一の原因が自分にあると感じる
ex 1. 上司の機嫌が悪いのは、何か自分がヘマをしたからであろう、いや、そうに違いない。
ex 2. 自分が、彼女に振られるのは、人が全て離れて行くのは、全て自分が悪い
・こういった、他愛もないことから、心理的に重くのしかかることまで、とにかく「外的な要因」を発端として、自己否定が頭のなかでループする
→ 自己否定のループがひどい時は、週末にコンビニにご飯を買いに行くことすら、億劫で身体が動かない
C. 愛着障害 (自己診断)
・愛着障害というものは、よくわからないが、岡田氏の著書に載っている人たちと自分の症状がとても似ている。きっと自分は、この愛着障害という、母子関係や家庭環境に起因する「病気」に違いない。だから、治したい。
本に出てくる愛着障害の症状を簡単に説明すれば、人間関係が苦手、漠然とした不安がある、気分が憂鬱、などなど。これらの原因が先天的な脳機能の異常ではなく、母子関係・家庭環境に原因があると考えるのが愛着障害という概念。
(ただ、著書に出てくるような、家庭環境の大問題があるようにも思えない。なぜならうちは、普通の家庭だから、もっと言えば、教育一家で、非行・ひきこもりも (今は) いない、"優れた" 家庭だから)
こうして振り返ると、当時が如何に混乱し、追い詰められていたかがわかる。簡単に説明。
まず、「症状」と「原因」が区別できていない。自分が今困っているのは、対人不安や自己否定であり、正体不明の愛着障害ではない。愛着障害とは、おそらく上の2つの症状の原因なのだ。だから、「症状」の緩和と、「原因」の解明・治療は、分けて考えて置くと良い。
もう1つは、「自分は本当に愛着障害なのか?」という疑念があること。自分自身、愛着障害を患っていることをそんなに信じていないのだ。なぜか?それは、自分の過去を直視することができないから。この当たりは、克服記録の中で、どんどん明らかになっていく。
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② カウセリングに何を期待し、どうなりたかったのか?
A. カウンセラーと話すことで、どんどん良くなっていく。
・この時は、カウンセラーさんが驚異的話術を持っていて、カウンセラーとの対話を繰り返すだけで、みるみるうちに楽になるのかと思っていた
(まじアホすぎる)
B. この病気が直った先には、「きっと人と別け隔てなく接せられて、自己否定もしないで、なんなら自己肯定を自然にできるような自分がいるに違いない。」と思っていた。そして、事の発端となった女性とも付き合えるし、1年後に控えた就職活動も楽勝だぜ、とまで期待した。
(……もはや、コメントしたくない)
さて、これらの「期待」の問題点は何か?
1つは、「完全に他力本願」。この期に及んで、人から何かすごい力を与えられる、と思ってしまっている。でも、そうゆう性質を持った苦しみだから仕方ない。
もう1つ、これが根本的に、「あらゆる生きづらさ」の克服を阻害しているのだが、「その先の自分の姿」に対するイメージが全く出てこないこと。
なぜか?それは、愛着障害・アダルトチルドレンとは、「未来の自分を考えることができない」病だから。
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2-3. カウンセラーA氏 ― 認知行動療法との出会い
(Twitter 投稿に戻る)
とにかく、何もかもカオスな状態で、初のカウンセリングに望む。
カウンセラーさん (A氏, 女性, 40代と思しき) は、物腰柔らかだった。
愛着障害の "自己診断" で、「恐れ・回避型」だった僕としては、少し甘えやすい感じがよかった。カウンセリングの流れとしては、現在の悩みを聞きつつ、家族歴・生育歴を診ていった。
愛着障害という概念の良いところは、自分の辛さの原因について、自分一人で完結させるのではなく、家族や生育環境などの他の要素に目を向けさせることだと思う (実際この辺に問題がある)。これらの苦しみを知らない人は「甘え、責任逃れ」などと責めるかもしれないが、苦しみの只中にいる当事者にとって、そういった逃げ場所があることが、重要なのだ。それが例え、過去の自分・家庭環境を責める、他責的なものだとしても。
簡単に、悩みの解決へのアプローチを書く。
カウンセラーA氏が取った治療法は、「認知行動療法」だった。この方法では、"何が不安なのか、何が自分を否定するのか" を、患者本人に考えさせることで回復に導く。
ex. 対人不安
「人に会うのが不安」
→ "どう不安?"
「嫌われる気がする」
→ "相手はそんな悪い人?"
「そんなことはないが自分は嫌われる」
→ "つまり、そう思い込んでいるってことだよね?"
最初は、「(他人は) 気のせいだ、とは言うけど、(自分は) そう思うんだから、仕方ないじゃん」と抵抗があるが、回を重ねると「なるほど、"頭" でそう考えちゃうからいけないんだな」と冷静に受け取れるようになっていく。
今思うと、ここも掘り下げが足りなかったが、不安・否定が頭の中でループするのは止まった (根本的に不安が消えたわけではない)。
一方、家族歴・生育歴。
愛着障害 (後に知った、アダルトチルドレン) 克服は、ここが最重要の課題なのだが、そのクリニックではあまり重視されなかった。
ただ、A氏と話す中で、自分でも忘れてた部分が思い出されていった。
"夫婦・兄同士の仲は冷えてたな"
"家では、一人でゲームするかテレビ見てる時間長かったな"
"(僕は、歯医者でおえっ、となってしまう嘔吐反射が強いのだが) 歯医者でうまく口を開けられなかった時、帰ってきたら母親にブチ切れられてたな"
などが出てきた。
とはいえ、1年間のカウンセリングの中で、「そうはいっても、大学出れるくらいまともに育ててもらったし、親には "感謝" している」という認識は変わらなかった。
(この辺りの認識が最近変わった。何が変わった?それは、「感謝」の意味も分からず、親には感謝しなくてはいけない、と思わされていたのだ。)
(再掲載時に思ったこと: 「とはいえ」「そうはいっても」否定から入りがち)
こうして、この春 (2018年3月) 辺りまでカウンセリングが続いた。
その頃、自分の大学院修了の論文を書き上げたり、就活を始めたり等で、自分の周囲の状況が "ポジティブ" になりつつあった。カウンセリングの効果もあってか、前のネガティブな感覚も薄れ、「俺いけんじゃね?」という根拠のない肯定感も出始めていた (今思うと、この状態が危険だった)。
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【当時参考にしていた書籍 (あくまで、知識の補完程度です)】
岡田尊司著 「愛着障害の克服」「母という病」
「生きるのが面倒くさい人」
根本橘夫著「『自分には価値がない』の心理学」
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