【賞金に税金はかかる?源泉徴収は?】コンテストに関するお金の悩みを解決しよう!(2018年6月号特集)
入賞で手にすることができた賞金や賞品。
これらに税金はかかるのか、申告の義務があるのか、公募に関するお金の悩みにお答えしよう!
Q1.賞金にも税金はかかりますか?
懸賞やクイズ、コンテストなど公募で得た賞金は、税制上、一時所得になり、原則として課税対象になります。ただし、一時所得の場合は、賞金から特別控除額50万円を引くことができます。そのため、年間50万円までの賞金であれば、税金はかからないことになります。
一時所得とは定期的な収入ではなく、運よくもらえたものですので、一般的な所得と同じように課税されたらうれしさが半減します。だから、優遇されているのです。
Q2.賞品の場合はどうですか?
賞品については、タイプによって次のように課税方法が変わります。
商品券の場合:換金性の高いものは額面どおりの金額で計算します。
車などの賞品:通常の小売価格の60%の金額で計算します(200万円の車なら60%にあたる120万円が収入額)。
宝石や貴金属などの賞品:賞品を受け取った日に処分したと仮定し、その場合の見込み金額で計算します。
Q3.50万円以下でも源泉徴収されますか?
基本的には、50万円以下の賞金を得た場合は、控除がありますので源泉徴収はされません。
ただし、基本的にはです。支払う会社によっては、賞金額がいくらであっても源泉徴収した残りの賞金額を支払うケースもあります。
その際、賞金100万円であれば、源泉徴収したあと100万円なのか、100万円から源泉徴収するのかが気になりますが、これは主催者によるとしか言えません( 一般的には前者が多いようです)。
Q4.源泉徴収された分は戻ってきますか?
確定申告をすれば源泉徴収された分は戻ってくる可能性が高いと言えます。ただし、源泉徴収は一律同じ税率で徴収しますので、いくら戻ってくるかは、その人の給与所得、事業所得など他の所得によります。年収の高い人は、場合によると追加で払う可能性もあります。
所得税は合計金額が高額になるほど課税率が高いため、一時所得を得ると合計金額が上がり、徴収額も変わります。また、翌年の国民健康保険の額が高くなる場合もあります。
Q5.賞金3万円を20回得た場合は?
同じ主催者から年間で賞金3万円を20回もらえば、合計60万円となるため、確定申告することになります。
別々の主催者から賞金3万円を20回もらったとしたら?
5万円以下の場合、主催者は支払調書を税務署に提出しなくてよいので、税務署は賞金について知りません。しかし、合計50万円を超えれば確定申告する必要がでてきます。
申告する場合は、賞金合計額60万円から特別控除額50万円と経費を引いた金額の半分が課税対象です。
Q6.確定申告しなかったらどうなりますか?
賞金100万円を得た場合、控除額の50万円を引いた残りの50万円の約10 % (10% 十復興特別所得税)が源泉徴収されます。確定申告をしなければ払いすぎていても戻りません。
確定申告は「確定申告の義務のある要件」に該当すれば申告しなければなりませんが、該当しない場合は任意になります。
小額の場合、いちいち覚えていない人がほとんどだと思いますが、賞金が年間50万円を超える可能性のある人は確定申告に備えましょう。
Q7.賞金に消費税をつけて請求できますか?
アマチュアの方が入賞し、その栄誉に対して副賞として賞金が与えられる場合は、消費税はつきません。
消費税を加えた額が支払われるとしたら、賞金という意味合いより、入札やコンペ形式の公募に応募し、採用になった場合です。
たとえば、主にプロのデザイナーやイラストレーター、作詞家を対象に作品を募り、その中から採用者を選んだ場合、業務を発注したのと同じです。このような場合は消費税がつく可能性があります。
Q8.来年度の保険料はどのくらい変わりますか?
国民健康保険の場合は、手にした賞金額やふだんの収入などによって金額が変わってきます……
100万円獲得した場合の例を交えて解説
特集「才能をお金に換えよう」
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※本記事は「公募ガイド2018年6月号」の記事を再掲載したものです。